2020 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的脳刺激と認知トレーニングの融合による認知機能低下抑制プログラムの開発
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20K11293
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
能村 友紀 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50434460)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非侵襲的脳刺激法 / 記憶 / 認知機能 / 個人差 / ガンマ波 / tACS |
Outline of Annual Research Achievements |
非侵襲的脳刺激である経頭蓋直流電気刺激の介入効果には個人差があることが指摘されている.近年,新たな刺激法として経頭蓋交流電気刺激が注目されている.この手法は刺激されている皮質領域の固有振動数に近い場合に脳の神経回路を同調し,脳律動を変化させる手法である.この手法の介入効果に個人差があるのかは十分に明らかにされていない.本研究の目的は,経頭蓋交流電気刺激は記憶能力の個人差によって効果に違いがあるのかについて検討し,新たな認知機能低下抑制プログラムの開発を行うものである.非侵襲的脳刺激法を用いた新しい記憶強化の可能性を探り,対象者の記憶能力の個人差における効果の違いを明らかにする.記憶能力が低い対象者に対して認知症予防プログラムと非侵襲的脳刺激法をハイブリッドに組み合わせることで認知機能低下抑制を促進できるのか否かを検討する.初年度は,記憶課題システムを導入し,課題のシミュレーション結果をもとにして課題作成を確認することができた.健常若年者を対象として記憶課題を調査し,経頭蓋交流電気刺激における記憶パフォーマンスの影響を検討した場合に記憶能力が低い対象者においても経頭蓋交流電気刺激の影響を確認することができた.今後は健常若年者に対する異なる記憶課題においても実施するとともに,健常高齢者,MCI予備軍の主観的記憶愁訴のある高齢者を対象に経頭蓋交流電気刺激の記憶パフォーマンスへの影響を確認する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常若年者に対する記憶課題について再検討する必要が生じたため.
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Strategy for Future Research Activity |
健常若年者に対する記憶課題について再検討を行うとともに,健常高齢者,MCI予備軍の主観的記憶愁訴のある高齢者を対象に経頭蓋交流電気刺激の記憶パフォーマンスへの影響を確認する
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Causes of Carryover |
課題作成ソフトウェアや消耗品への費用を抑えることができたため,次年度使用額が発生した.これらをあわせた使用計画として,研究成果発表のための費用などに使用する.
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