2022 Fiscal Year Annual Research Report
女性アスリートにおける月経周期に伴うコンディションの変化とその改善策に関する検討
Project/Area Number |
20K11318
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
須永 美歌子 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (70534064)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 低用量ピル / 筋損傷 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
月経困難症の改善および月経移動を目的として低用量ピル(OC)を使用する女性アスリートが増加している。OCは性ホルモン分泌を抑え、性ホルモン変動を抑制することによって、月経随伴症状の改善をもたらす。さらに、OC服用が運動パフォーマンスに悪影響を及ぼさないことも多く報告されており、今後も女性アスリートにおけるOC服用率が高まっていくと考えられる。 アスリートが激しいトレーニングを行った場合、筋損傷や炎症が引き起こされることがあり、これを運動誘発性筋損傷(Exercise induced muscle damage; EIMD)という。EIMDに対した先行論文は、エストロゲンは筋を保護する効果がある可能性が報告されている。Thompson et al.のメタ分析によるとEIMDに対するCK(Creatine kinase)反応がOC非服用群と比較しOC服用群で高値を示した。これのことから、エストロゲンは筋損傷を抑制する作用をもつと考えられる。 OCを服用する女性(以下OC群)11名と正常月経女性(黄体期,以下NOC群)12名を対象とし、多用途筋機能評価運動装置(Biodex system4)を用い,非利き腕上腕屈筋群の伸張性運動を実施した。 その結果、OC服用は、伸張性運動後のCKを増加させるが、IL-6、CRPおよび筋損傷間接マーカーにおいては影響を及ぼさないことが示唆された。今後女性アスリートにおけるOC服用率は高まっていくと考えられており、OC服用が女性の筋損傷に与える影響が明らかになれば、女性アスリートでOC服用によるコンディション管理に寄与し、高パフォーマンス達成に貢献できると考える。
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Research Products
(6 results)