2020 Fiscal Year Research-status Report
青年アスリートのスポーツ傷害を未然に予防するための包括的な大規模スポーツ疫学研究
Project/Area Number |
20K11319
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
澤田 亨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00642290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 利春 国際武道大学, 体育学部, 教授 (30182637)
笠原 政志 国際武道大学, 体育学部, 教授 (10535496)
清水 伸子 国際武道大学, 体育学部, 助教 (90808297)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツ傷害 / 青年アスリート / 整形外科 / メディカルチェック / 追跡調査 / オンライン調査 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの青年アスリートがスポーツ傷害に苦しんでおり、スポーツ傷害を未然に予防することはスポーツ科学の使命の一つである。スポーツ傷害を予防するための方法の一つとして整形外科的メディカルチェックが実施されているが、青年アスリートのスポーツ傷害予防に貢献するのかについて大規模、かつ、包括的に調査した研究は見当たらない。そこで、本研究は、約15,000 人の青年アスリートのビッグデータを使用したコホート研究を行い、整形外科的メディカルチェックのどの項目が、どのようなスポーツ種目の、どのような傷害の発生と関係しているかを明らかにして、青年アスリートのスポーツ傷害を予防するためのエビデンス(科学的根拠)を提供する。 本研究におけるデータを提供する国際武道大学は、1987 年以降の30 年間、毎年約500 名の新入生を対象とした30 項目の整形外科的メディカルチェックを実施している。整形外科的メディカルチェックでは、スポーツ傷害の発生に関連していると考えられている筋力(脚筋力:WBI、腹筋力:上体起こしテスト)、柔軟性(下肢、体幹、上肢の筋群6 項目)、身体組成(体脂肪率)、関節弛緩性(7 大関節)、アライメント(7 項目)の5 要因23 項目、および誘発痛を合わせた合計30 項目の測定を実施しており、これらのデータを整備して解析が可能となるデータベースを構築しており、本年度は1999年度、2016年度、2017年度、2018年度のデータベースを完成させた。また、オンライン調査システムの構築については、整形外科的メディカルチェックを実施した卒業生のスポーツ傷害発症歴を調査するために、オンライン調査会社に委託してオンライン調査システムを構築した。そして、オンライン調査については、テスト試行として、そして同時に実際のデータを得るために2020年度卒業生を対象にオンライン調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
整形外科的メディカルチェック結果データベースの構築については、新型コロナウイス感染症の拡大の影響を受けて研究者が対面で打合せたり、作業を進めることが困難となり、データベース構築作業が遅れ気味のスケジュールとなったが1999年度、2016年度、2017年度、2018年度のデータベースが完成した。 一方で、オンライン調査システムの構築については、オンライン調査会社に委託して順調にオンライン調査システムを構築し、2020年度卒業生を対象にオンライン調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究については新型コロナウイス感染症の拡大の影響による遅れを取り戻すとともに、下記の3項目について取り組んでいく。 (1)スポーツ傷害調査の実施については、オンライン調査協力依頼ハガキを卒業生全員に郵送し、オンライン調査で、大学在学中および卒業後におけるスポーツ傷害発症歴を把握する。回答率が低い場合は、督促ハガキを複数回(最大3 回)郵送するとともに、各スポーツクラブのOB 会を通じて回答を依頼する。 (2)スポーツ傷害調査結果のデーターベース化については、調査結果を整理し、解析のための電子データベースを構築する。 (3)整形外科的メディカルチェック結果とスポーツ傷害調査のデータベースの結合については、整形外科的メディカルチェック結果とスポーツ傷害調査結果を電子的に結合させて多変量解析を行うためのデータベースを構築する。
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Causes of Carryover |
整形外科的メディカルチェック結果データベースの構築について、新型コロナウイス感染症の拡大の影響を受けてデータベース構築作業が遅れたり、合同での研究会を開催することができなかった。2021年については整形外科的メディカルチェック結果データベースの構築作業を進めるとともに、合同での研究会を開催して前年の遅れを取り戻す予定である。
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