2021 Fiscal Year Research-status Report
Advanced analysis and applications on sports doping drugs
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20K11325
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
北浦 孝 福山大学, 経済学部, 教授 (00143868)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COVID-19 / Python / AIプログラム / 東京オリンピック・パラリンピック / 冬季北京オリンピック / トリメタジジン / ディープ・ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は東京オ リンピック・パラリンピックが無観客での状況で7月末から実施され、2月には冬季北京オリンピック・パラリンピックも無観客で実施されたが、新型コロナ(COVID-19)感染の世界的流行は一向に収まらず、感染拡大を誘発する変異株の発生がありそのため、蔓延防止策の発動により国内の移動が何度も制限され、学会参加が予定通りに実行できず情報収集がWEB上でのものに限定せざる得なかった。しかし、昨年度から実施しているPythonを用いたプログラムにより、かなり多くのデータを収得することができた。 今年度収集できたデータの分析を行った結果、オリンピックに関わるものとして麻薬関係の薬物も多く、コロナ感染のみならず多くの精神的課題の増加が推測された。他方、筋肥大等のスポーツ競技に直接関係するものは少なかった。特に、薬物としてはコロナ感染と関わりのあるCOVID-19はADR2受容体に結合することから免疫ストリームが発生し、重症化することが明らかとなり、β2作働薬の使用はコロナ感染の可能性を増長する可能性があり、使用が制限された可能性が示唆された。しかし、他の筋肉増強剤の使用は、ヒト成長ホルモン(hGH)を使用したイギリスの選手の例が発生したが、従来の報告と類似したものであることが分かった。これは、特に、新奇なもので無く従来の対応で処理できるものであることが分かった。むしろ、親近者の不幸やストレスからくる精神的抑制に対する解放のための大麻等の薬物使用が増加する傾向があり、今後の課題となることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 今年度も、昨年度の新型コロナ(COVIC-19)の感染拡大は収まらず、一時的に解除された事もある移動制限も蔓延防止策の発令により再度他地域への移動が困難となり、学会等への参加が不可能となり、交通費を使用する研究に関する情報収集のための学会参加や資料収集のための活動も行政による移動自粛の勧告により、制限せざるを得ず十分な活動を行う事が出来なかった。 しかし、情報収集のための人的サポートを得ることが可能になったため、昨年度に引き続いて高次機能としてのディープラーニングを可能にするシステム設計とプログラミングの開発と改善に専念した。今年度は、これまでの研究を生かし、AIの初期段階としてデータベースを確保するためにPythonでのプログラミング設計の改良を行った。これまで行われていた研究データをWeb解析だけでなく医学研究資料として活用できるPubMedと Medlineを利用して、Pythonで自動取り込みを可能にするプログラムの構築と改善を引き続き行った。
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Strategy for Future Research Activity |
東京オリンピックでは、ヒト成長ホルモン(hGH)を使用したイギリスの選手がドーピング違反になった。更に、アメリカの21歳のシャカリ・リチャードソンは100mを10秒86という史上6番目の記録を出し、100m走での出場権を獲得し、金メダル有力候補として期待されていたが大麻の陽性反応が出たことで出場禁止となった。また、冬季北京オリンピックでは、非特定物質(類型的に競技力向上又はドーピング隠ぺいのおそれのある物質、マスキング薬物)であるトリメタジジンが「16歳未満は要保護者」に該当する15歳のロシア人フィギュアスケーターのカミラ・ワリエワ選手から、2021年12月にロシアでの大会で検出され、彼女のオリンピック出場に世界的な疑問が提起された。その薬物は持久力を向上させる効果があるとも言われている。このようにスポーツ競技における薬物問題は選手本人の個人的な問題としてだけではなく、オリンピックを国威発揚の場として利用しようと試みる集団的な国家的問題としても検討する必要がある。ドーピング問題は基本的には選手個々人の健康管理にかかわる問題であり、単なるスポーツでの成功を得るための手段としての不適切な実践を防ぎ、健全でフェアな立場でスポーツを人の文化として成長させていく必要のために解決されるべき問題点であり、それらを実現するためにAIを活用した技術開発は今後も推進されるべき事柄である。また、新型コロナ感染対策として免疫機能を促進する薬物が注目されていてグルココルチコイドがその1例である。グルココルチコイドの分泌の乱れが逆に免疫力を低下させる場合もあり、その概日リズムとの関係 が重要である。この薬物はエネルギー代謝を活性化したり、抗炎症作用があるため、けがをした時の治療薬として使用されるため注意が必要である。従って、これまで以上にディープ・ラーニングにより情報分析を深化させる予定である。
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Causes of Carryover |
589,553円と言う額であるが、次年度に有効活用したいので無駄な0円調整を避けた。 翌年度は、新型コロナ感染対策が大幅に進むと予測されるので、今年度以上に情報収集や学会参加での旅費使用と研究補助者の活用を行い、遅れている研究を挽回する為に研究費を使用する。
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