2023 Fiscal Year Research-status Report
競技スポーツにおけるコーチングと集団レベルの心理的変数に関する実証研究
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20K11328
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池田 英治 筑波大学, 体育系, 助教 (70726877)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | coaching / collective efficacy / cohesion / motivational climate / empirical research |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においては,前年度と同様にPerceived Motivational Climate in Sport Questionnaire-2(PMCSQ-2; Newton et al., 2000)の改訂版(邦訳)について,大学生を対象に質問紙調査を実施し,因子分析を用いて尺度の因子構造を確認するとともに信頼性・妥当性の検証を行った.分析の結果,内的整合性(信頼性)が基準を満たさない因子が確認されたため,サンプルサイズを大きくする必要があると考えられ,次年度の課題としたところである. 続いて,高い競技レベルを有する大学バスケットボール・チーム(女性チーム)に所属する指導者(コーチ)の練習中におけるコーチング行動をCoaching Feedback Questionnaire(CFQ; Amorose and Horn, 2000)の邦訳版とコーチのノンヴァーバルコミュニケーション評価尺度(NCSC;島崎・吉川,2012)を参考に観察・評価した.以前に観察・評価した男性チームの指導者と異なり,非言語的行動の回数は比較的少数であるという特徴が認められた.しかしながら,サンプルサイズが極めて少数であったため,追加の検証が求められるところである. さらに,collective efficacyとcohesion,PMCSQ-2の改訂版(邦訳)の経時的な測定を行った.シーズン中に3つの変数が連関しながら変動することが認められたものの,コーチング行動に関する分析と同様に,サンプルサイズが少数であったため,3変数の経時的変化の特徴およびコーチング行動と3変数間の関連を特徴づけるには至らなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究課題は,まず,collective efficacyとcohesionを縦断的に調査するとともに,動機づけ雰囲気尺度の開発のための「本調査」を行い,尺度としての信頼性・妥当性を検証することであった.本調査を実施することはできたものの,信頼性の観点から,サンプルサイズを大きくしての再検証が必要だと考えているところである.また,録画した指導者(コーチ)のコーチング行動をCFQの改訂版やNCSCを参考に観察・評価することも研究課題であったが,新型コロナウイルス感染症等の影響によって少数のデータ収集にとどまった.さらに,コーチング行動に対する選手の認知とコーチング効力感との関連についての調査は,本調査まで行えず,予備調査を終えた段階である.以上の各課題について,2024年度中に調査を実施し,データを蓄積する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,第1に,collective efficacyとcohesion,PMCSQ-2の邦訳版の縦断的調査を蓄積し,そのデータを検証する.第2に,過去2年間に引き続き,コーチング行動の観察・評価を積み重ね,併せて,CFQの邦訳版を用いて選手のコーチング行動に対する認知を,また,指導者自身が抱くコーチとしての効力感(コーチング効力感)を測定する予定である.それらの調査対象は,全日本大学バスケットボール連盟に所属する選手,並びに指導者とする.以上の調査を実施し,それらで得られたデータをもとにして論文執筆を行う予定である.
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Causes of Carryover |
2023年度に予定していた複数の調査は,新型コロナウィルスの影響等により十分に実施することできなかった.そのため,物品費(ビデオカメラ等),調査に係る旅費,謝金・人件費が予定よりも少額の執行にとどまっている.また,研究の進捗状況の遅れにより国際学会での発表を行えず,また,研究協力者との日程調整がうまくいかなかったことから,それらに係る費用を計画どおり支出できていない. 2024年度においては,「今後の研究の推進方策」に記載したとおり,積み残された調査を実施したいと考えている.それにかかる「物品費」に関しては,ビデオカメラ等の購入に充てる予定である.また,「旅費」に関しては,研究打ち合わせ,学会での成果発表に充てる予定である.最後に,「人件費・謝金」および「その他」に関しては,申請書に記載のとおり,調査協力者への謝金,調査補助費,論文投稿費,英文校正費等に充てる予定である.
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