2023 Fiscal Year Annual Research Report
Developing a methodology for the estimation of muscle fiber length during dynamic movement
Project/Area Number |
20K11330
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹下 大介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60847060)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋線維長 / 超音波測定器 / 筋腱複合体 / Hillモデル / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は前年度に抱えていた問題である非線形要素を導入し筋線維長の推定を試みたが精度の劇的な向上には至らなかった。代替案として、筋腱複合体を直列弾性要素と収縮要素からモデル化し、実験で算出した筋腱複合体のスティッフネスから直列弾性要素と収縮要素を定量するという方法を取った。ホッピングの動作周波数を大きくした際に筋腱複合体のスティッフネスのスティッフネスが大きくなり、先行研究と同様の結果が得られた。また、直列弾性要素のスティッフネスは動作周波数に依らずほぼ一定となり、腱組織が直列弾性要素の性質を反映していることと矛盾がない結果が得られ方法の妥当性が示唆された。収縮要素に関しては、動作周波数が低い場合はスティッフネスが高く、動作周波数が高い場合はスティッフネスが負となるという結果が得られた。これは、接地期前半に足関節トルクが上昇する局面で筋束が短縮することに起因しており、当初の予想とは大きく異なる結果であった。まとめると、筋線維長変化の推定方法はまだ確立されていないが、筋腱複合体のスティッフネスを求めることで、筋線維の定性的な挙動が推定できる可能性が示唆された。 研究期間全体の実績として、ホッピングのようなダイナミックな運動においては下腿三頭筋の筋線維長変化は関節角度変化と異なることが示唆され、筋線維の振る舞いを理解するのに下腿筋腱複合体のスティッフネスが有用な指標となる可能性が示唆された。
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