2021 Fiscal Year Research-status Report
「心で体を引っ張る」:身体不調時のサイキングアップに関する脳内メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K11331
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小谷 泰則 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (40240759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 淑美 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 研究員 (30456264)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツ心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスリートのためのメンタルトレーニングでは、試合場面での緊張を和らげるためのリラクセーションについては、脳内の神経メカニズムを含め多くの研究や 技法の開発が行われている。しかしながら、調子の悪いときに心を奮い立たせ、ベストな状態に近づけていく「サイキングアップ」に関する研究は非常に少ない。一方、近年の脳科学では、脳のON/OFFの切り替えを脳の中の3つのネットワークが行っているという「トリプルネットワーク理論」が提唱されるようになった。本研究では、fMRIと脳波を用いて脳のネットワークの活動を測定し、サイキングアップの脳内メカニズムを調べることを目的とした。 2020年度に新型コロナウイルス感染症が発生し実験を中止したため、実験の予定を変更し、2021年度はfMRIの実験を行うこととしていた。ワクチンの摂取率が上がり、感染者数が減少したため11月にfMRI実験を再開したものの、1月に再度新型コロナウイルス感染症発生が広まり、実験を再び中止した。 実験においては、タイミング課題を利用して、サイキングアップの方法として「シャウティング」や「速いリズムの呼吸法によるサイキングアップ」を行う予定であったが、飛沫防止の観点から中止した。その代わり、課題に対して高い金銭報酬を付与することにより、覚醒水準を上げ、サイキングアップをしている状況を実験的に再現する方法に変更した。 当初予定した参加者数の半分程度の参加者数であるが、現在の分析では、切替ネットワークが活動していることを確認できている。今後は、被験者数を増やすとともに、ネットワーク分析も行い仮説の検証を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度も、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、感染防止のために実験を10月まで停止せざるを得なくなった。そのため、当初予定していた実験を行うことができなくなり、 予定よりも遅れることとなった。ワクチン接種により11月に実験を再開したものの、12月以降再び感染者数が増加し、実験を再度停止した。特にfMRIの実験は医療機関で行っているため、当面の間、感染予防のためfMRI実験を中止せざるを得なくなった。首都圏は感染者が多いため、他の地域と比較しても実験を順調に進めることが難しい状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、感染者数の減少およびワクチン接種率の向上が見込まれ、fMRIの実験を予定参加者数まで行うことを目標とする。予定していた、脳波の実験は感染者数の減少が続くようであれば、少数例でも行い、fMRIとのデータの比較を目指す。ただし、新型コロナウイルスの変異株等により再度感染状況が悪化した場合には、研究期間の延長等も検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、予定していた実験を途中で中止せざるを得なくなった。そのため、実験の実施を次年度に繰り越し、合わせて予算も 次年度に使用することとした。
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Research Products
(6 results)