2020 Fiscal Year Research-status Report
テニスにおける打球のスピードと回転数がラリーの展開に及ぼす影響
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20K11338
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
高橋 仁大 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (50295284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 俊祐 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 助教 (80835299)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲームパフォーマンス分析 / トラックマン / 打球スピード / 打球の回転数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はテニスのゲームにおける前後の打球の相互の関係性について,打球のスピードと回転数から明らかにすることである.2020年度は,これまで研究代表者らが取得してきた打球データを用いて,ラリーの展開やプレー内容との関連についての詳細な分析を行った. 大学生選手を対象とした試合データから,ラリーの回数によってサーバーとレシーバーとのポイント取得率の違いについて検討したところ,1stサービスにおいて2球以内にラリーが終わった場合を除いて,サーバーとレシーバーのポイント取得率に有意な差は認められなかった.1stサービスにおいて2球以内にラリーが終わった場合は,サーバーが有意に高いポイント取得率を示した.また世界トップ選手を対象として同様の分析を行ったところ,大学生選手と同様の傾向を示した.これらの結果から,1stサービスで2球以内にラリーが終了した場合を除き,ラリーが継続した場合にはラリーの展開の中でポイント取得の結果が決まることを示していると考えられた.つまり,ラリーの展開がどのように行われているかを検討することの重要性を示したものといえる.さらに,1stサービスで2球以内にラリーが終わる場合は,サービスがポイントの取得に大きく影響していることから,2球以内にラリーが終わった場合の1stサービスの傾向について検討することが必要であると考えられた. そこで,サービスのスピードと回転数とサービスの結果との関係について検討したところ,INのサービスはFAULTとACEに比べて有意にスピードが遅くかつ回転数が多いことが明らかとなった.またスピードと回転数とINの確率との間には比例的な関係があるわけではなく,選手によって至適なスピードと回転数が存在することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はコロナ禍のため,当初予定していた実際の大会におけるデータ収集が,大会の中止等の理由により,実施することができなかった.そのため,研究代表者等がこれまで蓄積してきた打球データを新たな観点から分析する内容で研究を進めた.2021年度もコロナ禍とそれに伴う大会等の実施ならびに大会会場でのデータ収集の可否を踏まえて,慎重に研究を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では,2020年度から2021年度にかけては,これまで研究代表者らが取得してきた打球データを用いて,打球のスピードと回転数がラリーの展開やプレー内容とどのように関連しているかについての詳細な分析を行うこととしていた.この点については,2021年度も継続して進めていく.特にサービスとリターンの局面とそれ以降の局面に分類し,ラリー中の各打球のデータとラリーの展開との関連,打球データとラリー毎のプレー内容との関連について考察を行う.これらの考察にあたっては、十分なテニスのコーチング経験を有する研究分担者と共同で行う. また実際の大会におけるトラックマンを用いての打球データの収集については,大会の実施状況や大会会場でのデータ収集の可否を踏まえて,慎重に研究を進める予定である.なお大会会場でのデータ収集が不可能な状況である場合は,研究協力者であるヨネックス株式会社の協力を得て,同社の所有するトラックマンも活用して大学生を対象に2台のトラックマンで対戦する相互のプレーヤーのデータを収集する形で研究を進める予定である. 2022年度は,2021年度までに収集した打球データを用いて,ラリー中の前後の打球の関係性について,2021年度までに得た知見をもとに考察を行う.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,当初計画していた大会会場でのデータ収集や国内学会および国際学会での成果発表に伴う旅費などを執行することがなかったことに加え,新たなデータ収集がなく,これまでに収集した打球データを基にした分析を進めたことから,データ処理及び分析用のコンピュータを購入する必要性がなかったため. 2021年度に繰り越した使用額は,当初2020年度に予定していた実際の大会におけるデータ収集に伴う旅費や成果発表に関する旅費及び経費,またデータ処理及び分析に用いるコンピュータの購入等に使用することを計画している.
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[Presentation] The relationship between the scoring and the rally numbers in men’s collegiate tennis in Japan2020
Author(s)
Takahashi, H., Okamura, S., Kashiwagi, R., Iwanaga, S., Numata, K. and Murakami, S.
Organizer
International Sports Science and Sports Medicine Conference 2020
Int'l Joint Research
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[Presentation] The differences of the ball speed and the spin rate depending on the results of tennis serves2020
Author(s)
Kashiwagi, R., Murakami, S., Numata, K., Okamura, S., Iwanaga, S. and Takahashi, H.
Organizer
International Sports Science and Sports Medicine Conference 2020
Int'l Joint Research
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[Presentation] Ball speed and spin rate of backhand groundstrokes in professional male tennis players - comparison between Topspin shots and Slice shots2020
Author(s)
Murakami, S., Okamura, S., Kashiwagi, R., Iwanaga, S., Numata, K. and Takahashi, H.
Organizer
International Sports Science and Sports Medicine Conference 2020
Int'l Joint Research