2021 Fiscal Year Research-status Report
方向転換能力の評価指標としてのCODdeficitの有用性に関する研究
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20K11339
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
八十島 崇 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00435091)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 方向転換能力 / COD deficit / 走スピード |
Outline of Annual Research Achievements |
走方向を素早く変更し移動する能力(方向転換能力)は、スポーツ選手にとって必要不可欠である。方向転換能力はこれまで方向転換走タイムから評価されてきたが、方向転換走タイムと直線走タイムからCOD deficitを求め評価すべきとの見解もある。本研究では、COD deficitが方向転換能力を的確に評価できるかどうかを明らかにしていく。 2021年度は、COD deficitと動作時の走スピード(課題1)及び下肢パワー発揮(課題2)との関係について検証を進めた。 対象者は両課題ともにサッカー経験を有する男子大学生であった。課題1では10mの直線走と方向転換走を測定した。方向転換走では、中間地点(5m)で45、90、135及び180度の方向転換を1回実施した。測定では、対象者はチェストベストを着衣して上背部にGPSを装着し、動作中の走スピードを捉えた。合わせて光電管で走タイムを測定し、iPad Proで動作を撮影した。また、各方向転換走タイムと直線走タイムから、COD deficitを求めた。課題2では前述の直線走と方向転換走の測定に加え、垂直跳の跳躍高と立幅跳の跳躍距離を測定した。試技は、手を腰に当てた立位姿勢から反動動作を用いて鉛直及び水平方向へ全力で跳躍を行った。 その結果、課題1でCOD deficitはすべての方向転換走ではなかったものの走タイムとの間に強い相関関係を示した。一方、動作時の走スピードとの関係性においては方向転換中の最小スピードが動作遂行の最も強い予測因子になるとの報告がある。しかし、現時点までに得られた結果からだとこの知見を支持できるか否かを結論づけることが難しく、さらに対象者数を増やして検証すべきだと考えられた。課題2について、COD deficitと下肢パワー発揮との関係性をより明確にするには、こちらも対象者数を増やして結論づけるべきだと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度も新型コロナウィルス感染症の影響によって、年度当初の想定に沿って研究を進めていくには難しい状況にあった。そのため、計画していた研究課題の実験を行うことはできたが、得られたデータ数が予定よりも少なくなってしまった。 本年度は、前述の過年度の研究課題について計画に応じた被験者数の実験を年度のなるべく早い時期に実施する。また、得られたデータの解析を可及的速やかに進めてできる限り遅れを取り戻したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においてもコロナ禍での研究活動とならざるを得ず、感染状況を踏まえながら実験やデータ解析などを行っていく。まずは2022年度の早いうちに、前年度までの研究課題の追加実験を行い、COD deficitと方向転換走中の走スピード及び下肢パワー発揮との関係について検証を進める。続いて、本年度の研究課題である下肢パワー発揮の向上を目的としたトレーニングが方向転換能力に及ぼす効果とCOD deficitによる評価の検証についても可能な限り速やかに着手できるように準備を行っていく。 実験への協力が依頼しにくくこれまでのように円滑に進まない状況であるが、本研究の研究目的である方向転換能力の評価指標としてのCOD deficitの有用性について解明できるよう努めていく。
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Causes of Carryover |
2021年度は感染状況を考慮しながら実験を実施したため、被験者への謝礼にかかる使用額が年度当初の計画より少なくなった。また、参加した学会等はオンラインでの開催だったため、出張にかかる旅費も発生しなかった。 これによって生じた次年度使用額は、実験に協力いただく被験者の謝礼もしくは参加予定の学会等の旅費に充てたいと考えている。
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