2020 Fiscal Year Research-status Report
視覚負荷効果を利用した歩行機能改善トレーニングの検討
Project/Area Number |
20K11340
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉井 泉 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10244675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70285360)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行機能改善 / 視覚負荷トレーニング / 脳NIRS / 視線配置分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(2020年度)は、液晶シャッターゴーグル(Visioup)を使用した視覚負荷効果について、視覚機能および脳機能に及ぼす影響について検討する計画であった。しかし、これらの測定は、測定者と被験者が近接する状態となるため、新型コロナ感染症予防の観点から、実施が困難であると判断した。また研究費が申請額より減額されたことから、購入予定であったNIRSの測定装置の購入が困難となった。したがって、2020年度は、視覚機能および脳機能の測定は中止せざるを得ない状況であった。 第2波が収束し始めた10月頃、視覚機能の測定に向け、測定方法の検討、被験者の募集などを開始したが、その後第3波となり、その実施は2021年3月下旬とした。しかし、さらに感染状況が悪化し始めたことから、2020年度の実施は困難となった。また、NIRSの測定装置の購入は予算的に困難であることから、類似装置を所有している研究機関からの借用を要請し、検討しているところである。 以上のことから、今年度は、2年目(2021度)以降に計画している視線配置測定のために、アイトラッキングシステム(TobiiPro グラス3)とその分析システムを購入し、装置の使用および分析の準備を実施した。10mの段差またぎ越し歩行を課題として、歩行中の動作を現有している9軸モーションセンサを使用して計測した。同時にアイトラッキングシステムを使用し、歩行中の視線配置の計測を行った。さらに歩行動作をハイスピードカメラ(HAS-U2,DITECT)を使用して撮影し、これら3者のデータを同期して分析を行った。その結果、歩行動作の画像データとセンサデータは一致することが確認された。また歩行中の視線配置データも正確に取得することができた。この結果から、2年目以降の測定は順調に実施できるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でも記載した通り、新型コロナ感染症の影響および予算減額の影響から、計画していた視覚機能測定および脳NIRS測定を実施することができなかった。 視覚機能測定を計画していたが、実施に至らなかったが、測定方法の検討および被験者の募集は完了している。測定データの分析については、分析システムの使用方法をメーカー担当者から指導を受け、測定と分析が可能となった。 その後、10mの段差またぎ越し歩行を課題として、歩行中の動作を9軸モーションセンサ、アイトラッキングシステム、ハイスピードカメラを使用して計測し、これらのデータを同期して分析を行った。その結果、歩行動作および視線配置データを正確に取得することが確認された。 以上のことから、コロナ感染症による行動制限が緩和された後には、直ちに測定を実施することが可能な状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、初年度(2020年度)に実施できなかった、視覚負荷の視覚機能に及ぼす影響に関して測定を実施し、検討する。 2年目(2021年度)は、シャッターゴーグルによる視覚負荷の影響を視線配置分析を実施する計画である。初年度に購入したアイトラッキングシステムの測定準備は完了しており、行動制限の状況に対応しながら、コロナ感染対策を十分講じた上で実施する予定である。 申請時は、歩行課題としてモトタイル歩行を計画していたが、予算減額の関係でこの課題は断念し、段差またぎ越し歩行を課題として実施することとする。 コロナ感染症の影響が懸念されるが、可能な中で研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、実際の測定が実施できなかったことから、支出予定していた被験者謝金および測定協力者謝金を執行しなかった。この繰り越し分である次年度使用額については、次年度実施する測定において使用する予定である。
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