2021 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋損傷の再生過程において、リボソーム生合成が新規治療標的となる可能性
Project/Area Number |
20K11342
|
Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
小谷 鷹哉 日本体育大学, 体育学部, 助教 (60849727)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 骨格筋損傷 / リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋は非常に可塑性が高く、主成分はタンパク質からなる。骨格筋量は筋タンパク質の合成と筋タンパク質分解の出納バランスによって決定される。近年、タンパク質合成の場であるリボソームが、骨格筋の筋タンパク質合成を介して量的制御に関与することが多くの骨格筋肥大研究および骨格筋萎縮研究から示唆されている。一方で、骨格筋損傷からの再建におけるリボソーム量の変化の役割は未だ明らかとなっていない。本研究では、骨格筋の再建におけるリボソーム合成やリボソーム量の変化を解析し、それらを操作することで、再建過程へ及ぶす影響を明らかにしていく。 今年度は、CRISPR/Cas9を用いたi-GONAD法による遺伝子改変マウスの作出を中心に行った。昨年度に得られたモザイクマウスを交配させて、ヘテロマウスが生まれてヘテロマウス同士を交配させ、ノックアウトマウスが得られる計画であった。しかし、ワイルドマウスおよびヘテロマウスしか産まれず、ノックアウトマウスが得られなかった。そこで、モザイクマウスの再交配から行った結果、雄性および雌性のノックアウトマウスを得ることができた。現在、雄性と雌性のノックアウトマウスの交配を行っている段階である。また、骨格筋培養細胞を対象に、リボソーム合成を制御する因子をノックダウンすることで、リボソーム量を減少させることに成功した。これを用いて、リボソーム量の変化が骨格筋再建におよぼす影響を明らかにしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9を用いたi-GONAD法による遺伝子改変マウスの作出において、雄性および雌性のノックアウトマウスが得られ、交配の段階に進むことができたから。また、骨格筋培養細胞において、リボソーム合成に関わる因子をノックダウンさせることで、リボソーム量が減少することを確認できたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
雄性および雌性のノックアウトマウスの交配を進め、標的遺伝子をノックアウトしたマウスを得た後に、それらを用いて骨格筋再建におけるリボソーム合成の役割を明らかにしていく。また、骨格筋培養細胞を用いた骨格筋再建とリボソーム合成・量の変化についても平行して進め、骨格筋におけるリボソーム合成・量の変化が骨格筋再建におよぼす影響を詳細に明らかにしていく。
|
Causes of Carryover |
実験試薬の在庫がなく、購入が来年度にずれ込んだため。
|
Research Products
(1 results)