2020 Fiscal Year Research-status Report
動作を行いながら教示用アバターを確認できるスポーツフォーム自己訓練VRシステム
Project/Area Number |
20K11349
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
松河 剛司 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (30580518)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アバター / 3DCG / 人体寸法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではVR技術およびAR技術を用いて、自己のスポーツフォームを矯正するトレーニングシステムを開発することを目的としている。令和2年度はそのトレーニングシステムで使用する教示用アバターを生成するシステムの制作を行った。 令和2年度はコロナ感染症予防のため、被験者実験を全面的に中止した。当初被験者実験により、素振り練習に関して、体格の違う被験者による同じ動作の比較を行う予定だったが、被験者実験は令和3年度以降に持ち越すことにした。 令和2年度に行った研究成果として、人体寸法データベースなどのデータより、アバターの身長・体格をパラメータの変更によって調整するシステムの開発を行った。3DCGで制作したアバターを身長に合わせて拡大縮小するだけでは、実際の体格とマッチしない。そのため身長・体重・性別の違いで18種の初期アバターを制作し、パラメーターに入力された値により18種のうち最も近い体格のアバターが自動的に選択され、そのアバターに対し身長などの微調整がされるシステムを制作した。これにより、初期形状が1つの場合に比べ、より正確に利用者の体格に合ったモデルをアバターとして利用することができるようになった。 測定実験を年度内に行えなかったため、以前の研究で取得した動作データ・筋活動データを利用し実際に動作することの確認を行った。歩行や機器操作のデータについて体格の違う3人の被験者データを使用し、3DCGモデルの変更、体格・動きの違い、筋電図データの反映を確認するとともに、解決するべき問題点(筋活動度のよりわかりやすい表示方法の検討、体格・動きの違う際のデータのアバターへの受け渡し方法の検討)を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症防止のために被験者実験が行えなかったことが大きな原因である。 被験者実験については、太陽光が入る環境では実験ができないため、必然的に密室となり、また他の研究機関で行う予定であった為、令和2年度の実施を見送ることにした。 また被験者実験によって得られるはずであった、同一の動きを体格に違う被験者によって行ったデータの検証が行えていない。これに関しては以前の研究結果を利用することで一定の成果は得られたが、本研究で扱うさまざまな素振り動作の検証が行えていない。 アバターの体格をパラメータにより変更するシステムは上記の体格によるデータ検証は行えていない状況ではあるが、身長や体重、性別によって本人に近いアバターが選択されるシステムの開発は行えているので、これを使用することで令和3年度に予定しているVRシステムの開発を進めることができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな流れとしては、当初の研究計画通り、モーションキャプチャデータのデータベース化とVRシステムの開発を進める予定である。 モーションキャプチャのデータベース化では動作データおよび筋電図データを元に、モーションキャプチャに関する最適なマーカ位置と測定速度、筋電図に関する最適な筋電図測定部位を対象となるスポーツそれぞれに対して検証する。検証した結果を元に対象となるスポーツの熟練者の動きの動作および筋電図の測定実験を行い、熟練者の動きをデータベース化を行う。VRシステムは開発したアバターをVR空間で表示するシステムを開発する。VR機器に付属のHMD及びセンサーにより全身動作を取得する技術を開発する。 研究計画の変更として、令和2年度に行うことができなかった被験者実験および当初から令和3年度に実施予定だった被験者実験を令和3年度に実施することである。利用予定だったモーションキャプチャシステムがコロナ禍だと密室・他研究機関であることから使用しづらいという課題があるが、これに関しては光学式ではなく慣性センサ式のモーションキャプチャシステムを使用することで対応する予定である。慣性センサ式のモーションキャプチャは太陽光の影響を受けずに測定することができる上、安価で導入することができる為、令和3年度の予算により導入する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症防止のため、予定していた出張がなくなったことと、予定していた被験者実験を中止したことによる出張費・人件費・謝金の使用が0円となったことが原因である。 被験者実験については令和3年度に追加実験として予定するとともに、3密を回避した動作計測実験が行えるよう慣性式モーションキャプチャシステムの導入を予定している。
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