2022 Fiscal Year Annual Research Report
腱付着部障害の病態メカニズム解明および運動療法の効果検証に関する研究
Project/Area Number |
20K11351
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
篠原 靖司 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10546708)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腱付着部 / 腱付着部障害 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は腱付着部の病態を考察し、運動療法の効果に対して科学的根拠を示すことを目的とし、本年度は新たな運動課題の検討と、その要因および病態について解剖学的検討を行った。 これまでの研究成果より、足部機能に大きく貢献しているものとして、外在筋としては長母趾屈筋に着目し、系統解剖およびMRI画像および超音波測定評価による新たな部位の腱付着部の解剖学的構造を検討した。その結果、これまで報告が認められなかった独立した脂肪体組織を発見し、解剖学的構造を示すことができた。本脂肪体組織は長母趾屈筋腱の周囲に存在、関節包や周囲組織と連結し、長母指屈筋腱の滑動に合わせて活動することが分かった。腱付着部における脂肪体組織は、腱付着部障害の病態に大きく関与していることが多いため、機能的役割を果たしている可能性が示唆された。本年度の研究実施内容からは、脂肪体組織の存在から腱付着部および付着部障害の病態を考察するのみとなったが、次年度以降に更なる評価、検討を予定している。 また、新たな運動療法の検討しては、足部内在筋に着目し、足部内在筋の中で最大である母趾外転筋を特異的に鍛えることができる運動法を考案し、本運動法を従来の運動療法と比較することでその有用性を評価した。評価方法としては、実施率、筋電図および超音波測定を用いたところ、実施率、筋電図、超音波測定全てにおいて本運動方が従来の運動法より優位に母趾外転筋を鍛えることができることが分かった。しかしながら、今年度の研究実施内容は単回の運動に対する評価にとどまっていること、本運動法は母指外転筋を特異的に鍛えるものであり、従来法は足部内在筋全体を鍛えるものも多く、足部の機能改善にはどちらの運動方が有効であるかはまだ明確にはできていない、次年度以降に長期介入評価などを行う予定としている。
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