2020 Fiscal Year Research-status Report
Basic research aiming to improve the diagnosis and treatment of skeletal muscle injury using ultrasound technique
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20K11360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金本 隆司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20512049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 研 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00283747)
前 達雄 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10569734)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋損傷 / 超音波診断装置 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
筋損傷は高頻度外傷であり、おおくは保存的治療により対応される。しかし、機能低下の残存や高頻度の再発などの問題点があり、スポーツ活動のみならず、職種によってはADL上の支障が問題となる場合もしばしばである。その改善を目指した研究を行う場合、動物疾患モデルが非常に重要となる。本研究は、複数の既存モデルの報告を基礎として、再現性の向上と縦断的評価の確立を目的とした新規動物モデルの作成・活用を目指すものである。 エコーを活用することによる筋損傷モデルの活用は、比較的順調に進んだ。CTX注入モデルに関しては、経時的評価と既存の報告との生物学的比較などに関して、学会発表(第35回日本整形外科学会基礎学術集会)を行った。本モデルに関しての学術論文を現在投稿準備中である。そして、筋挫傷モデルに関しては、損傷の直前・直後、および1日・3日・7日・12日の縦断的評価をエコーを用いて行い、CTX注入モデルでは認められない筋内hypoechoic lesionの観察が、再現性よく可能となっている。臨床で治療のターゲットとなりうる血腫の形成を示唆するものであり、意義ある進捗と認識する。既存の報告にある組織学的変化・遺伝子発現変化などを確認しながら、損傷モデルの評価をすすめている。新規動物モデル作成の目的は、筋損傷の病態と治癒過程の評価にある。そのためには確実なモデル作成とその縦断的評価が必須であり、大きな利点となる。作成した動物モデル間及び受傷後の異なる時期での遺伝子発現の比較から、筋挫傷特異的な現象や関係する因子の同定につながることを期待している。機能評価の一つとして、静的・動的な筋バイオメカニクス評価を行っているが、そのシステムを活用することによる肉離れモデルの作成を準備・計画中である。前述の2モデルと同様、損傷の確実な同定と縦断的評価を確立し、病態解明と治癒評価、介入方法の検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を推進するための基礎となる再現性のあるCTX注入モデル・筋挫傷モデルの作成が可能となった。同時に、エコーによる同一個体の病変部の縦断的評価が可能であること、エコー画像と病理組織像に高い相関関係があることを示し、学会報告をおこなった。筋挫傷モデルに関しては、血腫を含めた実臨床に近い損傷像が確認できており、今後の解析による新知見が期待できると見込んでいる。もう一つの重要な損傷モデルとして、肉離れモデルの作製を計画・準備中であるが、先の2モデルでの経験の活用が可能であり、順次すすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
①CTXおよび筋挫傷モデルの表現型評価として、組織学的評価/遺伝子発現評価などの生物学的アプローチに加えて、引張試験などのバイオメカニクス的評価や個体の活動量評価などを予定する。 ②作成した動物モデル間及び受傷後の異なる時期での遺伝子発現の比較を網羅的に行う。筋挫傷特異的な現象や治癒過程に関与する因子の同定を目指す。治療効果が期待できる因子が同定されれば、ウイルスなどの手段を用いて検討する。 ③「患部安静」「アイシング」「血腫吸引」「運動療法」「whole body vibration」などによる介入効果の検討をすすめる。 ④肉離れモデルに関しては、手技を検討しつつ、進行中である。先の2つのモデルと同様に、表現型の解析及び評価系の確立をはじめの目的として、その上で病態解明及び介入手段の検討を行う。
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Research Products
(1 results)