2021 Fiscal Year Research-status Report
寒冷・精神性による複合ストレスが運動能に及ぼす作用機序の解明
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20K11365
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今井 大喜 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (40614483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 和伸 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (70447754)
横山 久代 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (10647829)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 寒冷ストレス / 精神性ストレス / 持久性運動能力 / 瞬発性運動能力 / 中枢性疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、運動パフォーマンスを制限する要因である「寒冷ストレス」と「精神性ストレス」とが、二重ストレスとして複合的に負荷された場合に、どのようなメカニズムで生体に影響を及ぼして、持久性および瞬発性の運動パフォーマンスに影響するのかについて検討することである。本年度は、二重ストレスが、運動パフォーマンスに影響を及ぼす要因の一つとして、自律神経系への影響を、心拍変動の解析から明らかにした。解析手法には、心拍の周期変動の周波数成分をパワースペクトル解析(周波数領域)する方法を用いた。その結果、寒冷ストレスのみの試行に比べて寒冷ストレスと精神性ストレスとが二重に負荷された試行では、低周波数(LF)成分(0.04-0.15Hz)および高周波数(HF)成分(0.15-0.40Hz)成分のいずれも低値を示す傾向が示唆されたが、LFとHFの比に施行間における有意な差は検出されなかった。先行の解析では、血漿アドレナリンが、二重ストレスによって高値を示すことから、交感神経活動が賦活化されていると考えられるが、心拍変動の解析による交感神経活動の評価では、その影響を検出できなかったため、二重ストレスの影響を検討するためには、網羅的にいくつかの評価項目を設ける必要のあることが示唆された。さらに、当初計画した二重ストレスの負荷方法では、その影響を検出できる最低水準のストレス負荷であった可能性も示唆された。以上のことから、本年度は、二重ストレスの負荷方法と、その影響度を評価する方法について、さらなる検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画していた二重ストレスの負荷方法では、ストレス負荷として弱い可能性があることや、その評価には、二重ストレスの影響を検出できる指標と、できない指標があり、いくつかの指標を網羅的に評価する必要がでてきたため。また、そのために、実験プロトコルを当初計画より変更しなければならず、その確立に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度早々には、実験のプロトコルが確立できるため、本実験の開始に向けた準備を進め、当初計画にあった二重ストレスの瞬発性運動パフォーマンスへの影響、二重ストレスの影響を緩和する手法、さらにストレス耐性の個人差による影響について検討する。
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Causes of Carryover |
新型ウイルスの世界的流行が終息せず、本年度も本研究の遂行に遅れが生じた為、研究実施計画のさらなる変更が余儀なくされた。それによって、被験者・研究補助謝金等の人件費、関連学会大会の旅費、その他試料解析の外注費等が支出されなかったため、次年度使用額が生じた。それについては、予備実験と研究計画の変更に基づき、物品等の購入に充てる。
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Research Products
(2 results)