2023 Fiscal Year Annual Research Report
負荷可変牽引装置を用いたスプリント走の力-速度関係の定量的評価に関する研究
Project/Area Number |
20K11372
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
杉崎 範英 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (10508287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土江 寛裕 東洋大学, 法学部, 教授 (60458479)
小林 海 東京経済大学, 全学共通教育センター, 特任講師 (10586762)
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (20574205)
吉本 隆哉 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (20756465)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スプリント走 / 時空間変数 / 地面反力 / キネティクス / 負荷牽引走 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、負荷牽引装置を用いてグラウンドでのスプリント走における水平方向の力―疾走速度関係を定量的に評価すること、スプリント走の力―速度関係における個人差と走パフォーマンスの関係を明らかにすること、および牽引負荷の変化に伴うスプリント走動作の変化について明らかにすることを目的とした。 2023年度は、2022年度に実施した実験(50mフォースプレートシステムおよび負荷牽引装置を用いた負荷牽引スプリント走と無負荷スプリント走の地面反力変数および時空間変数の差の検討)で得られたデータ分析を行い、その内容を国際誌(PLOS ONE)に掲載した。また、この実験に付随して、負荷牽引装置によって取得した速度および牽引力データを元に、疾走中の時空化変数や地面反力変数を精度よく推定することが可能であるという知見が得られ、これを国際誌(Scand J Med Sci Sport)に掲載した。 さらに、2022年度と同様の実験を2023年度にも実施し、負荷牽引走および無負荷走を用いて得られた牽引力―疾走速度データを分析したところ、従来直線関係であると考えられてきたスプリント走における水平方向の力―速度関係が、必ずしも直線とならない可能性があることが示唆された。この結果については現在国際誌に投稿中である。 研究期間初期は、コロナ禍の影響により実験の延長・中止が相次いだことから、個人差について十分な検討を行うには至らなかったものの、期間全体を通して、スプリント走における水平方向の力―疾走速度関係が完全な直線とはならない可能性があること、同一の疾走速度で比較した場合には、負荷牽引走における地面反力や時空間変数は、無負荷スプリント走とほとんど差がないことを明らかにした。また、付随成果として負荷牽引装置を用いることで、スプリント走中の時空間変数や地面反力変数を推定することが可能であることを示した。
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