2021 Fiscal Year Research-status Report
ボールゲームにおける日本型コーチ・競技者の関係を踏まえた状況判断コーチングの提案
Project/Area Number |
20K11381
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
八板 昭仁 九州共立大学, スポーツ学部, 准教授 (50270062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 領 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (20184054)
倉石 平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60367092)
野寺 和彦 玉川大学, 学術研究所, 教授 (60626860)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バスケットボール / 状況判断 / コーチング / Athlete centered |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,コーチングやその満足度について多角的に検討し,それらと状況判断能力の獲得との関連を明らかにすることによってボールゲームのコーチにとって重要となる競技者とコーチが互いの考えを理解しながら状況判断能力の向上を図るための日本人の気質に合った日本型“Athlete centered coaching”の提案を試みるものである. 「何を,いつ,どのようにするか」というボールゲームの状況判断能力は,「競技力の向上」と「人間力の育成」のダブルゴールと言われるコーチングに直結する内容と考えられることから, 引き続き状況判断能力の獲得過程を明らかにするために宣言的知識に関わる状況判断と戦術行動に関する基礎的知識の有無を評価するための知識テストを作成に取り組んだ.まず44シーン88問の「オリジナルテスト」を作成し,7名のコーチの解答によって採点した.採点結果を一定の基準によって信頼性を有する問題群を選択したところ33シーン45問が採択され,それらは妥当性を有するテストであることが確認された.このテストは,速攻の状況において判断する際に必要となるプレイヤーの戦術行動における「基礎的認知」「選択的注意」「認知」に関わる攻防プレイヤーのそれぞれの人数,「認知」「予測」「意思決定」に関わるその状況における最適と思われるプレイを解答させるといった基本的知識を測定するテストであり,特別な機器を必要としない,場所を問わない,実施者が一人いれば15-20分程度の短時間で実施可能という特徴を有した実用性の高いものになったと考えられる. また,「望ましいコーチのタイプとコーチと競技者の関係を含むコーチングの現状」「集団凝集性や集合的効力感等のチームの現状」「コーチングと競技力に係る成果」について「CART-Q)」,「GEQ」,「CEQ for Sports」等を参考に質問調査票を作成し,データ収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宣言的知識に係る「状況判断と戦術行動に関わる知識テスト」が作成できたことから,データを取得し分析を進めている.次段階の紙面における知識テストと関連付けた手続き的知識に係る「VTR映像を用いた戦術行動に関わる状況判断テスト」を作成し,データ取得の計画を進めているが新型コロナウィルスの感染再拡大の影響によって十分なデータ取得には至っていない状況である. また,「望ましいコーチのタイプとコーチと競技者の関係を含むコーチングの現状」「集団凝集性や集合的効力感等のチームの現状」「コーチングと競技力に係る成果」についての調査票については,試作調査票によるデータ収集が終了し,分析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
紙面における知識テストと関連付けた手続き的知識に係る「VTR映像を用いた状況判断と戦術行動に関わる知識テスト」について計画的にデータを取得し結果を検討する.それとともに,宣言的知識に係る「状況判断と戦術行動に関わる知識テスト」に関するデータの分析結果との関連を検討する予定である.また,状況判断能力の獲得過程を明らかにするために,本年度末から来年度初めにかけて紙面における「状況判断に関わる知識テスト」とVTR映像を用いた「状況判断テスト」を再度実施する. さらに,それらと並行して「望ましいコーチのタイプとコーチと競技者の関係を含むコーチングの現状」「集団凝集性や集合的効力感等のチームの現状」「コーチングと競技力に係る成果」についての調査票によるデータを集計し,分析結果の検討を進める予定である. 新型コロナウィルスの感染再拡大の影響によってデータ収集が予定よりも遅れている状況ではあるが,それぞれのテストの実施および調査票によるデータ収集が計画的に実施できれば,大きな方向転換を強いられることはないと考えられる.
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Causes of Carryover |
研究分担者を含め予定していた学会に出席できず,出席学会もリモート開催が多く旅費の支出がなかったこと.テスト作成およびデータ収集のためのテスト実施等に予定していた人件費・謝金の支出がなかったこと.以上の理由から次年度繰り越しとなった. 前年度実施できなかったテスト作成にかかる支払手数料,およびテストの実施及び調査票のデータ収集にかかる旅費,研究打ち合わせにかかる旅費として使用する計画である.
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Research Products
(1 results)