2020 Fiscal Year Research-status Report
身体各部位に働く流体力評価による泳動作の推進機序の解明
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20K11384
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
角川 隆明 筑波大学, 体育系, 助教 (00740078)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水泳 / 推進力 / 抵抗 / 圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロール泳での上肢動作によって働く流体力を評価するため、手部、前腕部、上腕部に圧力センサを貼付して圧力分布を計測した。その結果、上肢動作に伴って各部位の圧力値に変動は見られたが、前腕部と上腕部は手部と比較して圧力値の変動が大幅に小さいことが確認された。そのため、前腕部や上腕部にも流体力は働くが、手部と比較して小さく、手部が推進に大きく貢献していることが示唆された。また、リカバリー動作後に上肢が入水する瞬間に前腕部と上腕部の圧力値が大きく変動し、抵抗を受けていることが確認された。しかしながら、入水する瞬間に圧力値は変動するものの、その直後には圧力値の変動は小さくなったことから、上肢で水を掻いて推進力を発揮する局面では抵抗力とならないことが示唆された。 また、クロール泳中の手部に働く流体力と、手部で発揮される推進力を推定し、バタ足動作の違いによる影響を調査した。その結果、同じ泳速度の場合、バタ足動作の頻度を高めることで手部で発揮する推進力が低下することが明らかとなった。このことから、バタ足動作によって推進力が発揮される可能性が示唆された。しかしながら、全身に働く抵抗力を評価していないため、バタ足動作によって全身に働く抵抗力がどの程度変化し、バタ足動作が推進にどの程度貢献しているかは明らかにできていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響により、年度前半に実際の泳者を対象とした実験を実施することができなかった。そのため、当初計画していた対象者数の測定を実施することができておらず、事例的な研究に留まっている。今後は対象者を増やして測定を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降は当初の計画通りクロール泳中の泳者の全身に働く抵抗力を計測する。上肢によって発揮される推進力は評価できているため、全身に働く抵抗力と、上肢によって発揮される推進力から、下肢動作によって働く流体力を評価する計画である。また、下肢動作を変化させることで、下肢動作による推進力や抵抗力だけでなく、身体の高さや姿勢、それに伴って変化する全身に働く抵抗力を評価し、下肢動作の違いが泳動作全体に及ぼす影響について調査する。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により実験の実施及び研究成果発表にやや遅れが生じた。そのため、当初予定していた実験実施に係る人件費や、研究成果発表に要する旅費、論文執筆時の英文校正費用等に未使用額が生じた。次年度以降は当初計画していた実験を含めて実施し、その成果を発表する計画である。
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