2021 Fiscal Year Research-status Report
身体各部位に働く流体力評価による泳動作の推進機序の解明
Project/Area Number |
20K11384
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
角川 隆明 筑波大学, 体育系, 助教 (00740078)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 水泳 / 推進力 / 抵抗 / 圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
水泳用回流水槽にてMRT法を用い、1名を対象としてクロール泳中の身体に働く抵抗力を計測した。試技ではキック動作の頻度を変化させ、頻度の変化が全身に働く抵抗力に与える影響について検討した。各条件での試技においてストローク頻度は統一して実施した。その結果、泳速度1.40m/sにおいてキック頻度が高い6ビート試技では65.7N、キック頻度が低い2ビート試技では63.5Nを示し、キック頻度が高い6ビート試技においてやや高い値となったが、顕著な差は見られなかった。 前年度までに実施した手部推進力の計測では、1.40m/sにおける手部推進力は40N程度であったことから、クロール泳において推進力の大部分は手部や上肢によって発揮されていることが明らかとなった。さらに、8名を対象として実施した手部推進力の計測では、キック頻度を高くした際の手部推進力はキック頻度が低い場合と比較して有意に低下することが明らかとなった。そのため、キック頻度を高めることで全身に働く抵抗力は増加しないものの、手部推進力が低下するため、キック頻度が低い場合と比較してキック動作による推進力が増加していることが示唆された。 現時点では当初の予定よりも少ない対象者の分析までした完了していないため、今後はより多くの対象者の分析を実施し、これらの現象について統計的に明らかにする予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の状況が計画よりもやや遅れていたため、2021年度に予定していた実験は実施できたものの、当初の予定よりも少ない対象者の分析しか完了できていない。今後は対象者を増やしてデータを取得し、統計的な分析を実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年目は2年目に実施した実験を10名を対象に実施し、得られたデータを統計的に分析する予定である。2021年度は、全身に働く抵抗力と手部で発揮される推進力を問題なく計測できたため、対象者の平均値から上肢動作と下肢動作それぞれの貢献度を算出し、それぞれの動作を明らかにする。その後、得られた知見をまとめ、学会発表および論文投稿を計画している。
|
Causes of Carryover |
前年度からの実験実施及び成果発表の遅れから、実験に係る人件費や、成果発表に要する旅費、論文執筆時の英文校正費用に未使用額が生じた。最終年度は当初の計画内容を実施する予定である。
|
Research Products
(2 results)