2021 Fiscal Year Research-status Report
新規マイオカインに着目した生活習慣病予防のための新たな低酸素トレーニング法の開発
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20K11401
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
今 有礼 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (00455445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 低酸素 / レジスタンス運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、レジスタンス運動や低酸素刺激により分泌が促進される新規マイオカインに着目し、低酸素レジスタンストレーニングがインスリン感受性に及ぼす効果について検討することである。本年度は、低体力者などへの応用を検討するために、低酸素環境で行う低強度の一過性レジスタンス運動が、新規マイオカインに及ぼす影響について検討した。 健常な成人男性7名を対象とし、常酸素および低酸素環境でレジスタンス運動を実施した。レジスタンス運動は、マシンを用いたベンチプレスとレッグプレスとした。各被験者の最大挙上重量(1RM)を測定し、ベンチプレスおよびレッグプレスの50%1RMを算出した。両環境下での一過性レジスタンス運動は、50%1RMの負荷を用いて、挙上回数14回、セット数5セット、セット・種目間休息1分で行なった。低酸素環境でのレジスタンス運動時には、酸素濃度を13.6%に設定して実施した。実験はシングルブラインドクロスオーバー法を用いて行った。採血は、レジスタンス運動前、運動直後、および30分後に実施した。測定項目は、apelinおよびzinc-α2-glycoprotein(ZAG)とした。 Apelinは、両環境ともにレジスタンス運動前と比較し、レジスタンス運動後に有意な変動は認められなかった。一方、ZAGは、両環境ともにレジスタンス運動前と比較し、レジスタンス運動直後に有意な増加が認められた。しかし、両環境間の増加の程度(運動前からの変化率)に有意差は認められなかった。 以上の結果から、低強度のレジスタンス運動はapelinの分泌に影響を及ぼさないこと、および低酸素刺激が、低強度の一過性レジスタンス運動によるZAGの分泌増加の程度に影響を及ぼさない可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、計画していた研究がおおむね順調に進展したので、このように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、常酸素および低酸素環境下でレジスタンストレーニングを実施し、両環境でのレジスタンストレーニングが安静時の新規マイオカインのレベルに及ぼす影響について比較検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に高額の測定キットを使用する予定なので、そのキットの購入に企てる予定である。
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