2021 Fiscal Year Research-status Report
前腕屈筋・回内筋群の硬さは成長期の野球肘発症の危険因子か?-前方視的検討-
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20K11412
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齊藤 明 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (90591751)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 野球肘 / 尺側手根屈筋 / 浅指屈筋 / 超音波エラストグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、成長期の野球選手を対象に超音波エラストグラフィを用いて前腕屈筋・回内筋群の硬さおよび肘関節の動揺性、加速度計による投球時の肘関節外反トルクを計測し、これらの関係を検討する。また、前腕屈筋・回内筋群の硬さが成長期野球肘発症のリスク因子になり得るか前方視的研究で検討する。 令和3年度は本学主催の投球障害予防教室を3回開催し、約120名の少年野球選手に対して超音波エラストグラフィにより前腕屈筋・回内筋群の硬さ、肘関節の動揺性、上下肢の関節可動域、アライメント・柔軟性評価、投球時のフォーム分析・肘関節外反トルクを計測した。また質問紙を使用して、上肢の疼痛、練習時間や投球数、野球歴などを聴取した。 前腕屈筋・回内筋群の硬さと肘関節動揺性、投球時の肘関節外反トルクとの関係について、令和2年度に収集したデータと合わせて解析を行った。その結果、肘関節の動揺性は尺側手根屈筋の硬さと関連することが明らかとなった。また投球時の肘関節外反トルクに対しては、尺側手根屈筋、浅指屈筋の硬さが関与することが明らかとなった。これらは現在、英語論文としてまとめており、令和4年度中に投稿する予定である。 また肘関節外反トルクに関しては、野球肘内側障害の既往歴との関連が少ないことが明らかとなった。この成果については、第8回日本スポーツ理学療法学会学術大会で発表し、現在は英文雑誌へ投稿中である。 本研究のメインテーマである前腕屈筋・回内筋群の硬さと野球肘の発症については、解析を進めており、令和4年度の学会にて発表し、論文投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は新型コロナウイルスの影響で当初予定していたデータ収集が一部実施することができなかったが、全体としては研究計画に沿ったデータ収集が可能であった。 また令和3年度は論文の公表および学会発表も行い、成果としても当初の計画通りであった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度はデータ解析を進めていく。またその成果をまとめ、国内外の学会での発表ならびに国際誌へ論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
年度末に英文校正料を確保していたが、想定よりもやや安かったため次年度への繰り越しが生じた。 次年度においては、同様に英文校正料に使用する予定である。
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