2021 Fiscal Year Research-status Report
オリンピアンの出征と戦争体験が戦後のスポーツ界の復興・再建過程に与えた影響
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20K11421
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
曾根 幹子 広島市立大学, 国際学部, 名誉教授 (00275398)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 戦没オリンピアン / 帰還オリンピアン / 出征 / 戦争体験 / 戦後スポーツ / 戦後のスポーツ界 / 復興・再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は出征したオリンピアンの戦争体験が、戦後のスポーツ界の復興・再建にどのような影響を与えたのかに関して明らかにすることを目的としている。昨年度は新型コロナの影響で、国内外ともにほとんど調査ができなかったが、本年度は夏過ぎから自粛が緩和され、10月から国内調査を実施した。 まず研究の事例対象として予定していたオリンピアンのご家族に、「軍歴証明書(兵籍簿)」の申請をお願いし、オリンピアン3人の兵籍簿の閲覧が可能となった。これは大きな成果であった。しかし、昨年度に引き続き、新型コロナ感染者の増加は止まらず、特に高齢となったご遺族や関係者への面会は十分にできず、調査や依頼も限られたものになった。 本年度は図書館などの公的機関の利用人数や時間制限があり、予定よりも少ない文献調査時間となった。引き続き文献や資料を渉猟する。 2020年夏季オリンピック東京大会が1年延期になったことで、今年度は申請者のテーマに関するメディアなどからの関心が高く、また公共施設や団体などから講演等の機会を頂き、研究成果を広く一般に向けて公表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は新型コロナ感染症の再拡大で、国内外での調査ができなかったが、今年度も計画していた調査が十分にできていない。今年度は前半から国内での文献調査や聞き取り調査を積極的に実施しているが、研究対象者の選択や必要な調査データを十分に得ていない。さらに国外での調査ができていないため、研究がさらに遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今後待機なく渡航が可能になれば、当初計画していたドイツのベルリン・スポーツミュージアムに「戦没オリンピアン」名簿を届けに行く。2.当初計画していた通り、戦没オリンピアンの多いフィンランドやイスラエルで、戦没選手の追悼の在り方や戦没オリンピアンに関するスポーツ界の扱いに関して調査し、日本での提言につなげたい。3.帰還オリンピアンに関しては、兵籍簿が拝見できるオリンピアンのご家族に依頼を続けていく。4.不足している資料収集を行う。
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Causes of Carryover |
本年度も10月までは新型コロナ感染者の拡大と自粛で、国内外の調査にほとんど出ることができなかった。次年度は有益なデータ収集のためにも国内外での調査活動を実施したい。そのため調査に占める旅費が多くなることが予想される。
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