2021 Fiscal Year Research-status Report
The effect of acquisition of social functioning of children with developmental disabilities on self formation in outdoor experiential therapy
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20K11439
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂本 昭裕 筑波大学, 体育系, 教授 (10251076)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自然体験療法 / セラピー / 発達障害 / 冒険教育 / 自己形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
人の自己形成は社会的スキルなどの社会性機能を基盤に促進すると言われており、発達障害児においてもその可能性がある。自然体験療法(キャンプセラピー)では、グループ体験によるカウンセリングに特徴があり、クライエントの自己意識や人間関係などの社会的スキルを育むことに有効である。しかしながら、発達障害児の自己形成と社会性機能の関連に着目した実証的な研究は行われていない。そこで本研究は、発達障害を有する児童生徒を対象にキャンプセラピーを実施し、発達障害児の社会性機能の獲得が自己形成に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 そこで本年度は、まず、発達障害児の自己形成意識に及ぼす影響について検討した。18日間のキャンプセラピーに参加した23名の発達障害児(平均年齢13.43±0.84)を対象に、自己成長性検査を用いて、自己形成意識について調査した。その結果、自己形成意識2因子のうち、努力主義因子においてキャンプ前よりもキャンプ直後に向上した。しかし、キャンプ前と比較してキャンプ1カ月後は、有意差は認められなかった。達成動機因子は、キャンプ前に比較して、キャンプ直後に向上し、1カ月後には有意に減少した。また、キャンプ前後の効果量(Hedges'g)は、達成動機因子において0.47、努力主義因子において0.57を示し中程度の大きさであり、先行研究に比較して大きな値であった。このことから、キャンプセラピーにおいて、発達障害児の自己形成意識は、キャンプ直後には効果が認められることが明らかとなった。しかし、1カ月後には低下することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、自然体験療法プログラムを実施し、データを取集する予定である。しかし新型コロナ感染症拡大のため自然体験療法プログラムを実施することができないことも予想される。このような場合には、調査対象者数が十分とは言えないが、これまでに収集したデータを分析することによって、本来の研究の目的に活かせるように分析方法を工夫する。また、自然体験療法の介入プログラムでは、参加者数を減らするなどして、感染症対策を徹底することで実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、自然体験療法プログラムにおける発達障碍児の社会性機能の獲得が、自己形成に及ぼす影響を検討することにある。したがって、自然体験療法プログラムを実施することが欠かせない。そのため今後は、自然体験療法の参加者数を制限することや、3密とならないように一人用のテントを使用するなど感染症対策を徹底しプログラムの実施に向けて参加者を募るなどの対策を講じる。また今年度、再度プログラムが実施されないことも予想されるため、これまで収集された社会性機能等のデータを用いて分析する等研究計画を見直して研究を推進させる予定である。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた理由は、令和3年度においては、新型コロナ感染症拡大のため、国内外の学会発表がオンライン開催となったため、学会大会への旅費の支出がなかったことによる。令和4年度においては、学会大会がオンサイトで開催される予定であり、発表する学会大会数を増やすなどの計画を立てている。また、コロナ感染症が拡大するなど学会大会がオンラインになり、旅費の支出がない場合には、論文を英訳するなどの校閲費として使用することを計画している。
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