2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K11451
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
安永 明智 文化学園大学, 国際文化学部, 教授 (30289649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 座位行動 / 高齢者 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、高齢者に対する座位行動減少のプログラム開発に向けた基礎資料とするため、高齢者の座位行動とメンタルヘルスの関連についての総説論文を発表した(安永他、ストレス科学研究、2021)。先行研究の知見から、長時間の座位行動はメンタルヘルスに悪影響を与えること、特に長時間のテレビ視聴に関連する座位行動はメンタルヘルスの悪化と関連することが示唆された。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大は高齢者を含むあらゆる世代の人々の身体活動量の低下や座位時間の増加に影響を与えていること、そしてコロナウイルス感染症の拡大前後での身体活動量の低下や座位時間(特にスクリーンタイム)の増加はメンタルヘルスの悪化に影響していることが明らかにされた。 また米国老年学会の学術雑誌に、日本の成人、高齢者の座位行動と幸福感の関連についての原著論文を発表した(Yasunaga et al., Innovation in Aging, 2021)。結果から、成人、高齢者ともに、テレビ視聴時間が長いほど幸福感が低いこと、精神的刺激を伴う座位行動の時間が長いほど幸福感が高いことが示された。加えて、成人では、携帯電話やパソコンの使用時間が長いほど幸福感が低いことが明らかにされた。さらに、ソーシャルキャピタルが座位行動と幸福感の関係を媒介する可能性も示唆された。これらの論文以外にも座位行動に関する査読付き原著論文を2本発表した。 本研究課題に関連する成果は第76回日本体力医学会大会(2021年)シンポジウム(世代別の座位行動の健康課題とその対策:COVID-19を超えて)において「高齢者の座位行動と健康リスクおよびその対策」という題目で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、高齢者を対象に座位行動の減少に向けた介入を開始する予定であったが、国内のコロナウイルスの感染拡大の影響から、介入研究が実施できなかった。本研究課題の介入研究の実施を予定している東京都では、2021年の大部分で緊急事態措置又はまん延防止等重点措置が発令されていた。本研究課題は高齢者を対象としていることから、介入研究はある程度コロナウイルスの感染拡大が終息してから実施するのが妥当であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、コロナウイルスの感染状況を見ながら、座位行動減少に向けた介入研究の準備を進めていく。しかし、本研究課題の対象が高齢者であることから、研究協力者の安全を十分に確保できる見通しがたってから、介入研究を開始する。また、コロナウイルス感染に関連する安全上の問題を踏まえ、研究協力者への座位行動減少に向けた介入を実施していく際、対面での介入の回数を可能な限り減らし、その分を非対面(郵送、電話、電子メール等)による介入に切り替える。
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Causes of Carryover |
2021年度はコロナウィルスの感染拡大が終息しておらず、安全面の問題と倫理的配慮等の理由で、高齢者に対する介入研究が予定通りに実施できなかった。そのため、2021年に計上していた介入研究に係る経費を2022年度に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)