2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K11453
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
中谷 謙 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (90441336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 真哉 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00296188)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚認知 / 視線 / 視覚探索 / 視覚情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、a) 広い視空間と日常生活場面に即した小さな視空間における視覚呈示課題への視線探索および視線走査パターンの差異、b) 脳内処理に至る前提条件となる視覚刺激の入力段階での注視点および視線走査パターンの分析、について、非接触タイプの視線記録装置を用いて定量化して分析することで、高齢者や脳損傷者を含む幅広い年齢層の視覚情報処理過程、効果的かつ効率的な視覚探索方法の助言、およびリハビリテーションプログラム立案について検討することである。初年度の取り組みとして、本研究で使用する非接触タイプの視線記録装置等を含む必要備品の整備、実験計画の詳細決定と倫理審査、健常者対象の予備実験とデータ収集のシミュレーション、を予定していた。そのなかで、本研究のデータ収集の中心となる非接触タイプの視線記録装置(TalkEye Free、竹井機器)を整備することができた。本機は被験者の前方に設置したカメラを用いて視線を記録する方式を採用しており、被験者が視線記録用の検出装置を頭部や顔面に装着する必要がない。そのため、被験者に与える負担や違和感が少なく、より自然な状況下での視線記録を可能としており、本研究の目的遂行に適している。本年度は、コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響および緊急事態宣言発令や移動制限等により、対人接触に強い制約が生じた。被験者の感染予防対策と安全面への配慮は実験の計画立案および遂行時に細心の注意を払うべき重要事項であるが、その点の対策については明確ではない部分もがあり、結果的に、実行可能な実験計画の詳細決定には至らなかった。それに伴い、健常者対象の予備実験とデータ収集のシミュレーションも保留せざるを得なかった。今後、感染予防対策、ワクチン接種状況、コロナウィルス感染症の終息状況などを慎重に勘案し、安全かつ実行可能な実験計画の詳細を決定し、研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度の取り組みとして、本研究で使用する非接触タイプの視線記録装置等を含む必要備品の整備、実験計画の詳細決定と倫理審査、健常者対象の予備実験とデータ収集のシミュレーション、を予定していた。非接触タイプの視線記録装置(TalkEye Free、竹井機器)の整備は完了した。コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響および緊急事態宣言発令や移動制限等により、それ以外の予定の遂行は保留を余儀なくされているため、視線記録装置の操作や特性の理解、文献等の渉猟による情報収集に努めている。現在の社会情勢の影響によるものではあるが、当初の予定と比較し、全体の進捗状況は遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度以降は、コロナウィルス感染症(COVID-19)の終息状況等を慎重に注視、勘案し、研究代表者と分担者で情報を共有しながら研究を進める。感染予防対策に配慮した実験計画を立案し、遂行する。研究協力施設への説明、今後のデータ収集に向けた準備、可能であればデータ収集を行う予定である。今後、不確定要素が少なからず存在するが、適宜、慎重に検討を行いながら研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で、当初の研究遂行予定に変更が生じた。初年度の取り組みとして、本研究で使用する非接触タイプの視線記録装置等を含む必要備品の整備は完了したが、それ以外の取り組みや旅費の施行は保留となっており、来年度以降への繰り越しが生じる結果となった。
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