2021 Fiscal Year Research-status Report
女子高校生・大学生のための子宮頸がん予防教育DVD教材の開発とネットワークの構築
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20K11458
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Research Institution | Shikoku University Junior College |
Principal Investigator |
片山 友子 四国大学短期大学部, その他部局等, 教授 (60648202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女子大学生 / 子宮頸がん / 予防教育DVD教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は女子大学生を対象に子宮頸がんに対する予防行動・検診受診行動に繋げるための教育教材を開発することである。前年度の研究結果から、検診を受診せず、症状が現われ、進行した状態で発見された場合、治療が難しく妊孕性温存治療が不可能になる場合もあることを強調したモデル教材を視聴したグループが、視聴後に不安を感じ、視聴前の調査と比較すると、検診受診を希望する者が増加したと思われる結果となった。このモデル教材を精査後、予防教育教材としてDVDを作成した。 令和3年度に子宮がん検診の受診はがきの配布対象年齢となる48名、無料クーポン券の配布対象となる55名、対象外6名、年齢無回答者10名、合計119名の女子大学生を対象に予防教育DVD教材の視聴前後に調査を実施した。DVD視聴前には子宮がんの知識の有無、検診内容、検診受診の有無および今後の検診受診、子宮頸がんの原因に関する知識の有無、子宮がん検診に関わる受診はがきや無料クーポン券について調査した。視聴後には子宮頸がんに関する知識、原因、予防、検診についての理解度、検診受診について調査した。 クーポン券および受診はがき配布対象者の中で届いていない、わからないと回答した者は、クーポン券配布対象者は約47%、受診はがき配布対象者は約77%であった。DVD視聴前の調査で知識があると回答した者は、子宮がん約37.8%、検診約32.8%、原因約20.2%であった。視聴後の調査では子宮頸がん、原因、予防、検診について理解できた・まあまあ理解できたと回答した者は100%であった。検診を受診したくないと回答した者はDVD視聴前15.1%から視聴後には8.5%に減少した。この結果から予防教育DVD教材は効果があると考えられる。今後のがん教育・普及啓発のための利用とともに、受診はがきやクーポン券について配布以前に知らせる必要性があることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予防教育DVD教材の作成に予定した以上に時間がかかったため、予防教育DVD教材を使用した女子大学生を対象とした調査が遅れた。調査は質問紙と心理テストSTAIを使用し実施した。調査期間は令和3年12月から令和4年3月であった。質問紙による調査は分析済みであるが、心理テストSTAIによる比較分析が実施できていない状況である。 また、予防教育DVD教材を視聴した学生で検診受診行動に至らなかった対象者に配布予定であったリーフレットの作成ができていない状況である。 令和3年2月に実施された徳島県高等学校教育研究会 養護学会の研修会を通して予防教育DVD教材についてお知らせをしていただいた。令和4年度に実施予定であった高等学校とのネットワーク構築の足掛かりを得ることができた。研修会で予防教育DVD教材を視聴いただき視聴前後の調査を実施したかったが、コロナ禍により研修会自体がオンラインで実施されたため参加はできなかった。その後、県内の高等学校47校の養護教諭宛てにDVD教材と共に質問紙を送付し調査を実施した。 徳島県と県内市町村24カ所にも予防教育DVD教材を送付し、教材の活用の機会をお願いした。徳島県の健康づくり課では、県民や県職員への啓発のためにと公式You Tubeに動画をアップロードしていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の研究計画では、予防教育DVD教材を用いて調査した後、検診受診行動に至らなかった対象者に子宮頸がん検診受診勧奨のためのリーフレットを作成して配布する予定であった。予防教育DVD教材を視聴した学生を含む学部および学科にリーフレットを配布し、無料クーポン券の配布対象者であった者と受診はがき配布対象者であった者について、DVD教材を視聴した学生とそれ以外の学生との検診受診行動について比較分析する予定である。
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Causes of Carryover |
子宮頸がん検診受診勧奨のためのリーフレット作成が遅れているため、次年度使用額が生じた。ただし、この額のみでは不足となるため、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する予定である。
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