2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of new learning support in physical education classes for awkward or unskillful children based on DCD and motor skill underachievers research
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20K11460
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
古田 久 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80432699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 泰成 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00620197)
細川 江利子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60238748)
松本 真 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (70334141)
有川 秀之 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80232057)
黒坂 志穂 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80580901)
菊原 伸郎 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90319591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動が苦手な児童 / 運動に意欲的でない児童 / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は若干の研究計画の修正を行い,当初予定していた小学校学習指導要領(平成29年告示)解説体育編の「運動(遊び)が苦手な児童への配慮の例」の分析に先立ち,「運動(遊び)に意欲的でない児童への配慮の例」総文章数70、総単語数1305をテキストマイニングの手法の1つである単語頻度解析を用いて領域別及び全体を対象として分析した。 分析の結果,体つくり運動系では,「行い方」「体」「仲間」「友達」が最も多い4回であった。続いて、「グループ」「ペア」「工夫」「自己」「動かす」「動き」が多く3回であった。器械運動系では,「技」「場」が最も多く7回、続いて「設定」が6回、「恐怖心」「時間」「痛い+ない」が4回であった。陸上運動系では,「うまい」が最も多く6回、続いて「課題」「設定」が5回、「リレー」「場」が4回であった。水泳運動系では,「設定」が最も多く5回、続いて「一緒」「課題」「取り入れる」「場」が4回、「距離」「恐怖心」「水」「挑戦」「友達」が3回であった。ボール運動系では,「チーム」が最も多く8回であった。続いて「分かる+ない」が6回、「場」「設定」「役割」が5回であった。表現運動系では,「関心」が最も多く4回であり,続いて、「リズム」「乗る」「体」「導入」が3回であった。 全体を分析対象とした場合,「設定」が最も多く22回であり、次に「場」が多く21回であった。その後は、「ゲーム」「友達」「課題」「仲間」と続いていく。「設定」「場」「友達」などから、達成感を味わったり恐怖心を軽減できるような場や課題を設定したり、友達とうまく関われる場をつくることによって運動に対して肯定的な態度を育めることが示唆された。 上記の研究成果を北関東体育学会第8回大会(令和3年2月21日開催)で研究発表し,埼玉大学紀要(教育学部)第70巻2号に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は3つのステップから構成される。ステップ1で学習指導要領解説(平成29年告示)体育編に記載されている「運動(遊び)が苦手な児童への配慮の例」と「運動(遊び)に意欲的ではない児童への配慮の例」が基礎とする指導観・指導方略を明らかにし,不十分な点がないか検討する。ステップ2で,学習指導要領の運動6領域における基本的運動の課題分析と児童の「つまずき」の明確化を行う。そしてステップ3で拡張版の「運動(遊び)が苦手な児童への配慮の例」を提案し,本学の附属小学校で実践し,その有効性を検討する。 令和2年度は,上記のステップ1を実施する年度である。当初は「運動(遊び)が苦手な児童への配慮の例」のみの分析を計画していたが,これは「運動(遊び)に意欲的でない児童への配慮の例」とも関係が深いため,両方を分析することとした。この研究計画の修正により「運動(遊び)が苦手な児童への配慮の例」の分析にやや遅れがみられているため,今後挽回したい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,前年度にやり残した「運動(遊び)が苦手な児童への配慮の例」の分析を進めるとともに,小学校学習指導要領の体育における体つくり運動系,器械運動系,陸上運動系,水泳運動系,ボール運動系,表現運動系の運動6領域における基本的運動の課題分析と児童の「つまずき」の明確化を行う。ここではネット型ボール運動の1つであるバレーボールのアンダーハンドパスを例に課題分析を説明する。アンダーハンドパスを上手に行うためには,ボールの落下地点に素早く移動すること,ボールの操作面を適切に形成することの2つが必要条件となる。第1の必要条件であるボールの落下地点へ素早い移動を達成するためには,相手の動作やボールの軌道から落下地点を予測すること等が重要となる。また第2の必要条件であるボール操作面の適切な形成を達成するためには,手の握り方やボールの入射角や反射角を考慮して面を形成すること等が重要となる。このように階層的に運動課題の分析を進めることで,児童の「つまずき」(例えば,予め移動してボールを待つのではなく,ボールを追いかけてしまって間に合わない等)が明らかとなり,それらに対する対処法や指導的配慮を考案するための手がかりを得ることができる。以上のような運動課題の階層的分析と児童の「つまずき」の明確化を,附属小学校の授業観察等も行いながら,6つの運動領域のそれぞれで進める。 研究代表者の古田がネット型ボール運動の課題分析と「つまずき」の明確化を行う。研究分担者の石川泰成,有川秀之,黒坂志穂,松本真,菊原伸郎と細川江利子が,それぞれ体つくり運動,器械運動,陸上運動,水泳運動,ゴール型ボール運動,表現運動の運動課題の分析と児童の「つまずき」の明確化を行う。 以上のように,研究代表者と分担者でそれぞれ専門性を活かしながら協力して研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により学会大会などがオンライン開催となり,旅費が不要となったため次年度使用額が生じた。残額は次年度以降に旅費として使用する予定である。
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