2023 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸筋による盗血現象が手指筋の力制御能力を低下させるか?~管楽器演奏を想定して~
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20K11466
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
上 英俊 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (90433242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 康栄 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (70318822)
鷲野 壮平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (30850937)
空閑 佐智子 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (10573553)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体運動 / 血流量 / 脳機能 / 演奏活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療技術の発展により長寿を実現したが,一方で,加齢にともなう認知機能低下の発現が社会問題となった.体力医科学分野の研究で様々な運動によって脳血流量・脳活動が増加する結果,認知機能低下の抑制が証明された.この運動効用が広く知られることになったにも関わらず,運動継続率は未だ低く,認知症予防の策定が不十分である. 「音」は音階・音量・リズムの変化によって感情をも表現するコミュニケーションツールとなり得る他,聴覚への刺激は脳に快楽を与えることからも,脳機能の維持向上に対するアプローチのひとつとして期待されている. そこで我々は,音楽演奏と身体運動を組み合わせることで生理的機能改善に付随する効果と運動継続を期待し,トレーニング法開発に取り組んだ.まず一般的なトレーニングに見られる動作パターン・個人の体力レベルを考慮しつつ,生体信号を用いた静音楽器を作成した.次に演奏動作に伴う幅広い脳領域の活性化を見込んだ演奏システムを開発し,その効果を検証した. 呼気流量などから得られる生体信号はリアルタイムで演奏情報に変換され,演奏が実現する.演奏者は音量・音階・発音の操作を行いリズム・音高が規定された楽譜を基に課題曲の練習・演奏を行った.この結果,6割近い被験者から「脳の疲労感を感じた」という評価が得られた他,「楽しかった」「達成感を感じた」といった主観的感想もあった.このことから,本システムが認知機能や,気分の向上によるQOLの改善に有効であるという可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)