2020 Fiscal Year Research-status Report
自律神経系活動に着目したマスギャザリングイベントにおける熱中症発症のリスク評価
Project/Area Number |
20K11469
|
Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
島崎 あかね 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (40255245)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 自律神経活動 / 暑熱曝露 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化等の影響による熱中症発症リスクが高まる中、環境側と生体側の両面から熱中症のリスク評価および実効性のある予防法の検討・提案を行うための研究として、暑熱環境曝露と自律神経系活動の関係を解明したいと考えている。 2020年度においては、自律神経系活動を測定するための機器・備品を購入し、測定手順の確認と予備調査を行った上で、幅広い年齢層に向けた自律神経系活動の測定の実施、測定地域や測定地の環境条件による違いといった基礎データの収集を予定していた。測定に必要な機器・備品の購入は順調に進み、被験者の確保(一般成人および高齢者)や異なる環境条件(外気温の設定、測定場所の路面条件等)、測定実施地(首都圏および大阪万博の開催予定地)の選定といった測定手順の確認に向けた準備を行っていたところ、新型コロナウィルス感染症の影響により、被験者の確保が困難になるだけでなく、マスギャザリングイベント自体の中止や延期が多く、幅広い年齢層に向けた自律神経系活動の測定を自粛せざるを得ない状況となってしまった。特に、熱中症の発症が高齢者に多いことから、高齢者の自律神経活動の測定を基礎データとして取り扱いたいと思っていたところ、新型コロナウィルスの感染は高齢者に重症化の危険が高いということもあり、被験者確保が困難となった。また、2025年に予定されている大阪万博を見据えて、大阪地域での測定・予備調査を予定していたが、県をまたいでの移動規制や関西圏での感染拡大を受けて十分な基礎データの収集ができていないのが現状である
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績にも記載した通り、被験者の確保ならびに測定地への移動が難しい状況となってしまい、当初予定していた幅広い年齢層に向けた自律神経系活動の測定が滞っている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施できなかった基礎データの収集として、被験者の確保は勤務先である大学の学生に協力を仰ぎ、20代前半の女性における自律神経系活動の測定をできる限り行う。その上で、性周期と環境条件の組み合わせなど、自律神経系活動に及ぼす影響についての配慮を加えながら実施する。また地域貢献活動の一環で運動指導を実施している近隣在住の高齢者にも協力を打診し、自律神経系活動の季節変動や暑熱曝露時の測定を実施していく。さらに、新型コロナウィルスの感染状況を見ながら、その状況が回復次第で大阪万博の開催地での測定も実施できるよう、測定場所の選定準備を進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
2020年度は十分な基礎データ収集を実施することができず、測定に伴う人件費、旅費が発生しなかった。2021年度は、2020年度に実施できなかった予備調査費用と、幅広い年齢層の被験者確保、地域差を考慮した暑熱環境下での測定を実施することにより、人件費および旅費が発生することが予測されるため、その費用に充てる。
|