2021 Fiscal Year Research-status Report
自律神経系活動に着目したマスギャザリングイベントにおける熱中症発症のリスク評価
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20K11469
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
島崎 あかね 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (40255245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 環境測定 / 自律神経系活動 / 心拍変動 / 唾液アミラーゼ活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である自律神経系活動と熱中症発症の関連性を検討するため、2021年度は環境測定と自律神経系活動の測定を計画し実施を試みた。2020年度に購入した測定機器を用い、大阪万博開催予定地周辺における環境測定と若年者層(大学生)の自律神経系活動の測定調査である。 測定日は2021年8月11日~12日で、測定補助者1名と被験者7名(いずれも学生)とともに大阪市此花区(大阪万博開催予定地周辺)に出向き、数か所における環境測定と環境測定場所での安静時自律神経系活動(心拍変動の測定および唾液アミラーゼ活性)の測定を行った。日程調整の段階では、8月中旬という暑熱環境として十分な条件を備えていると想定したが、台風の影響で8月12日は大雨となり高温環境下での測定とはならなかったが、湿度の高い状況での環境測定と自律神経系活動の測定を実施することができた。環境温度(気温、湿度、WBGT)は現地到着時から帰京時まで連続測定を行い、1時間ごとのデータとしてまとめた。また自律神経系活動については、現地到着時(8/11の15時)と8/12の9時から3時間ごと(9時、12時、15時、19時)に唾液アミラーゼ活性と体温を、心拍変動については8/12の9時から19時まで連続測定とした。 心拍変動のデータ分析は、連続測定のうち唾液アミラーゼ活性の測定前後5分間の値を平均するとともに、10分ごとの変化値を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響によって測定地への移動が思うようにかなわなかったことに加え、多世代にわたる被験者の確保が難しかったこと、大阪万博開催予定地周辺での測定調査時の天候に恵まれず、予定していた環境測定等が十分にできなかったことが大きく影響しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者における自律神経系活動の測定および暑熱順化状況の把握を予定。自律神経系活動は心拍変動からの分析と唾液アミラーゼ活性の測定とし、日常生活における状況と運動指導の前後における変化の測定、アンケート調査を予定している。 被験者の確保に向けて、地域貢献活動の一環で行っている運動指導に参加している地域住民に協力を依頼し、梅雨時期(高温多湿時期)における暑熱順化状況の把握とともに、暑熱環境下での日常生活時(安静状態)と運動指導前後の自律神経系活動(唾液アミラーゼ活性、心拍変動の測定)、アンケート調査を実施する。
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Causes of Carryover |
2021年度も2020年度に引き続き、十分な基礎データ収集を実施することができなかった点と測定に伴う人件費、オンラインで開催される学会が多かったことから学会出席に伴う出張費の支出がなかった点が次年度使用額が生じた理由である。 2022年度には、地域の高齢者を含む多世代にわたる被験者の確保により自律神経系活動の測定や環境測定の複数回の実施、学会発表を予定していることから、それらに伴う人件費や謝金、旅費等が発生する。よってその費用に充てる。
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