2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校における体育指導効力感の改善に向けたプログラム開発と効果検証
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20K11472
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
白旗 和也 日本体育大学, 体育学部, 教授 (20515184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 智 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90243740)
西田 順一 近畿大学, 経営学部, 教授 (20389373)
原 祐一 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (80550269)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体育指導効力感 / コンサルテーション / 小学校体育 / 女性教師 / 中堅期 / 達成経験 / 学び続ける教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校教師の体育授業に対する教師効力感を「体育指導効力感」とし、それを向上させるためのコンサルテーションによる支援方法の有効性について授業実践事例を通して明らかにすることである。2021年度については、以下の2つの観点について成果を得ることができた。 ①小学校教師の体育授業に対する教師効力感である体育指導効力感尺度を作成し、体育指導効力感は3因子構造から成り立つことが確認された。 ②体育授業実践に対して、体育指導効力感因子に基づき、授業計画段階、授業実施段階及び省察段階においてコンサルテーションによる支援を実行した結果、体育指導効力感が向上することが確認できた。 ①については、全国52校の協力を得て実施した体育指導効力感調査の整理を行い、20の項目からなる体育指導効力感尺度と3つの因子を得ることができた。また、属性を元に体育指導に課題の見える年代、及び性差についても分析し、中堅期の女性教員に課題があることが示唆された。 ②については、3名の協力者について、コンサルテーション手法を用いて①で明らかになった3因子を用いて測った結果、体育指導効力感の向上が明らかになった。 これらについては、研究論文(体育学研究の原著論文)として採択された。一方、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、その後の実験研究が予定通り実施できなかった。今後はコンサルテーションによる実施数を増やし、検証を進めることが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成果としては、小学校教師の体育授業に対する教師効力感である体育指導効力感尺度を作成し、体育指導効力感は3因子構造から成り立つことが確認されたこと、及び体育授業実践に対して、体育指導効力感因子に基づき、コンサルテーションによる支援を実行した結果、体育指導効力感が向上することが確認できたことが挙げられる。これらについては、研究論文(体育学研究の原著論文)として採択された。 しかし、継続した研究として、コンサルテーションの手法を用いた実験授業を3モデル実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、1モデルしか実施できなかった。2020年度、2021年度ともに、小学校における実践が予定数を下回ったことで、次への研究の分析を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度、2021年度ともに研究の遅れは新型コロナウィルス感染拡大の影響により、実験授業が進まなかった影響であり、やむを得ない理由での遅れであった。その間、研究論文作成に時間を費やすことができたが、今後については、実験授業が進まないとデータをそろえることができず、分析が困難である。 2022年度は、やや良好な兆しが伺えるが、今後も新型コロナウィルス感染拡大の状況により、実践授業をお願いする学校と相談しながら、予定を立てていく必要がある。社会情勢を鑑み、実験授業が実施できる状況である場合には、速やかに実験授業を進め、分析のためのデータを確保していきたい。具体的には最低でも3モデルの実験授業を実施し、コンサルテーションによる体育指導効力感因子への影響の分析を進めたい。 しかし、これまでの2年間の実験授業の遅れが大きく、十分なデータが揃わない場合は、研究計画を1年間延長することも検討したい。
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Causes of Carryover |
2年間を通じて、新型コロナ感染拡大に伴い、東京都外の実験授業が実施できなかったため、旅費、人件費を始め、分析に必要な経費を使用できなかった。また、学会への参加についてもONLINEでの実施が多く、出費は限られた。 次年度は、新型コロナ感染に関して緩和される傾向が見られることから、実験授業数を増加していく予定である。また、学会が対面で実施される場合、研究成果の発表等で、参加が増加する予定である。それに伴い、必要経費は増加していくと見込んでいる。
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