2021 Fiscal Year Research-status Report
Usefulness of a new dynamic balance test using cross movement for middle-aged and elderly people
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20K11479
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
中谷 敏昭 天理大学, 体育学部, 教授 (60248185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灘本 雅一 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (10712846)
寺田 和史 天理大学, 体育学部, 教授 (40454798)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的バランス / 高齢者 / 静的バランス / 姿勢安定性 / 固有受容器 / 十字移動テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,動的バランスを評価する十字移動テストのパラメータにおける前後と左右の最大移動距離,それぞれに移動させた際の偏差(ばらつき),これらの値から求めた動的バランス指数に加えて,足圧中心位置から前と後方向を分けて検討することを目的とした.前後の最大移動距離の内,前方向は青壮年者(18-29歳)で61.5%,中年者(48-58歳)で51.5%,高齢者(65-85歳)で54.4%と中年期以降に減少することが明らかになった.また,左右の最大移動距離の内,右方向は青壮年者で47.8%,中年者で48.3%,高齢者で48.9%と加齢による差はなかった.この傾向は女性においても同様であった. 十字移動テストのパラメータと静的姿勢保持能力との関係性を検討したところ,前後移動時の左右偏差は総軌跡長,単位時間軌跡長,外周面積,単位面積軌跡長と有意な相関関係を示した(|0.417-0.491|).左右移動時の前後偏差は外周面積と単位面積軌跡長と有意な相関関係を示した(|0.478-0.649|).これらのことは,動的に重心位置を前後あるいは左右に動かす際には,静的バランスを統制する固有受容器性姿勢反射などを用いて動的なバランス安定性を維持している可能性が示唆された.また,十字移動テストのパラメータと硬い床面あるいは柔らかいパッド上における静的姿勢保持能力の関係では,柔らかいパッドよりも硬い床面での安定性の方が関連を示す項目が多かったことから,動的な重心移動に固有受容器の調整が関与しているとも思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の継続した蔓延のため,複合的な運動介入による動的バランスへの影響について対象者を集めることができなかった.3回目のワクチン接種も進んでいることから,令和4年度に運動介入のための対象者を集める努力をし,当初目的とした研究課題の遂行に努めたい.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況でも示したが,令和3年度は運動介入の効果を検証し,その内容を修正して令和4年度に改めて介入研究を行う予定であったが,コロナ禍で対象者を集めることができなかった.そのため,我々と連携関係のある別な自治体(奈良県田原本町)で実施可能か検討し,奈良県天理市あるいは田原本町で当初計画した運動介入を行いたい.もし,さらなるコロナ禍が続き,研究対象者が不足あるいは課題の遂行が難しい場合は期間延長を申請して対応する予定でいる.
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Causes of Carryover |
予定していた運動介入研究の遂行ができなかったことから繰越額が生じた.令和4年度はその研究課題遂行と論文化に使用する計画でいる.
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Research Products
(2 results)