2023 Fiscal Year Annual Research Report
Usefulness of a new dynamic balance test using cross movement for middle-aged and elderly people
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20K11479
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
中谷 敏昭 天理大学, 体育学部, 教授 (60248185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灘本 雅一 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (10712846)
寺田 和史 天理大学, 体育学部, 教授 (40454798)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 動的バランス / 静的バランス / 下肢筋機能 / バランスパッド使用有無 / トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症の影響のため、研究期間を1年延長して最終年度の研究課題を遂行した。目的は、高齢者を対象とした条件の異なるトレーニングが十字移動能力で評価する動的バランスと静的バランス、下肢筋機能への影響を検討であった。地域に在住する65~86歳の健康な高齢男女36名を対象に、トレーニングにバランスパッドを使用する群(BP)と使用しない群(NBP)に対して性別と年齢で割り付けた。介入期間は8週間とし、月2回の運動教室を含む平日5回の自宅運動を行わせた。BPとNBPは、筋力運動とバランス運動をBP使用の有無で異なった以外は同じとした。筋力運動は椅子からの立ち座りを10回,各4秒かけて1~2セット、バランス運動は両足肩幅、両足閉足立位、2秒に1回のゆっくりとした足踏みを各60秒,2~3セット行わせた。また、足裏ジャンケン(グー・チョキ・パー)と足裏ストレッチ、マッサージを柔軟運動とともに行わせた。評価項目は足圧中心(CoP)の十字移動距離(動的バランス)、動揺速度・面積・軌跡長(静的バランス)、下肢筋機能(方向変換ステップ、ステッピング、椅子立ち上がり筋力、最大2歩幅)であった。 介入期間におけるトレーニング実施回数は15~53回で、BPとNBPに差はなかった。トレーニング継続率は94.4%と高く、有害事象もみられなかった。十字移動により評価した動的バランスは、左右への最大移動到達距離の増大にBP使用による効果が示された。一方、静的バランスでは、開眼あるいは閉眼条件での各CoP動揺変数にBP使用の影響は認められなかった。下肢筋機能では、方向変換ステップやステッピングの敏捷能力,椅子立ち上がり筋力、最大2歩幅へのBP使用による影響はなかった。以上の結果から,BPを使用したトレーニングは、動的バランスをわずかに改善させたものの、静的バランスや下肢筋機能への影響はない内容であった。
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