2021 Fiscal Year Research-status Report
精神ストレス誘発性の動脈硬化を予防する運動プログラムの基盤創出
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20K11480
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
久米 大祐 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (50650628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 雅人 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10635345)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神ストレス / 動脈スティフネス / 有酸素性運動 / ベンチステップ運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から、一過性の精神ストレス(MS)により動脈スティフネスは増大するが、MSに曝された後に自転車エルゴメータ運動を10分間行うことでこの動脈スティフネスの増大は消失することを明らかにした(Kume et al., EJAP, 2021)。この知見は、MSがもたらす動脈への悪影響に対する対抗策を構築する上で重要な基礎資料となる。しかしながら、運動様式として自転車エルゴメータ運動を用いたため、実生活における実用面に課題が残った。 そこで2021年度は、様々な場所で簡便に実施可能なベンチステップ(BS)運動に着目し、一過性のMSがもたらす動脈スティフネスの増大に対するBS運動の改善効果を検証した。対象者は、健常若年男性15名であった。MS課題(課題1)の後、10分間のBS運動(運動強度:予備心拍数の35~40%)を行い、その後、同様のMS課題(課題2)を再び行った際の動脈スティフネスの変化を評価した。その結果、課題1の後に動脈スティフネスは増大したが、BS運動によってベースライン値に戻った。一方で、予想に反して、課題2の後に動脈スティフネスは顕著な増大を示した。これらの結果から、MS後に行う10分間のBS運動は動脈スティフネスの増大を中和できるが、その後のMSに対する効果は限定的であることが示唆される。本成果は、European journal of Applied Physiology誌に掲載受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で生じた課題(実生活における実用性)を解決する成果を出せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度より所属先が変わり(沖縄大学→大阪工業大学)、研究環境が大きく変わったため、予定していた運動効果の生理メカニズム解明のための測定が困難となった。そのため、2022年度は、メカニズム解明ではなく、より簡便で効果的な運動方法を探索することとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で学会がオンライン開催になり、計上していた旅費を使用しなかったため。繰り越し分は、各種消耗品の購入にあてる予定である。
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