児童の朝の身体活動が覚醒度に与える影響

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K11501
• Research Institution: Kurume University
• Principal Investigator: 野田 耕 久留米大学, その他部局等, 教授 (80327874)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 身体活動 / 覚醒度 / VAS / フリッカー

Outline of Annual Research Achievements

本研究では2つの課題を設定している．研究課題1は学校教育現場で簡便かつ安価に子どもの覚醒度を把握できるようにする指標としてVisual Analog Scale（VAS）が転用可能かについての検討である．研究課題2では．研究課題1で得られた結果を吟味し，実際の小学校現場において種々の朝運動を実施させその後に覚醒度を測定し，朝運動の効果について検証を試みることである．
さて2022年度に研究予定であった研究課題1であるが，依然として新型コロナウイルス（COVID-19）感染症に収束を見ない状況下であったため，健康な成人（大学生）を対象とした実験を実施するには至らなかった．この実験では，軽運動実施の前後における覚醒度について，フリッカー，棒反応，VASの測定を試みこれらの関係性を分析し，VASの信頼性と妥当性を検討するものである．予定していた実験では，温度・湿度を一定に管理した実験室で行う環境設定であったため，感染リスクの観点から密閉した実験室での実施が不可能であった．したがって，2022年度の研究実績として，公表可能な成果を示すことはできない，
2023年は，新型コロナウイルス感染症の感染症法的位置づけが変更されたことにより，2022年度までの対応とは異なることが予想される．よって研究課題1の着手を早急に行いたい．

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2022年度も新型コロナウイルス感染症が繰り返し感染拡大し，健康な成人(大学生)を対象とする研究課題1の実施が見送らざるを得なかった．この課題1を進展させることができなかった理由は，感染防止の観点から学生被験者を密閉した実験室に参集させることが困難であったことが挙げられる. 2023年度においては終息こそしていないものの，実験室内の制約も撤廃され，日本社会全体として種々の活動制限が緩和される方向にあり，新型コロナ禍前の状況へと移行することが予想されることから，研究課題1への着手を試みる予定である.

Strategy for Future Research Activity

2023年度は，遅延している研究課題1について，健康な成人（大学生）を対象に，被験者間の接触の機会を減らしたり，測定器具の消毒を徹底するなど，新型コロナウイルスへの感染防止の取り組みを講じながら，夏季にかけて実験を進展させる. また，研究課題2としている小学校現場での測定・調査であるが，設置者および学校長，教職員，児童およびその保護者に本研究の趣旨と計画を充分に説明し，本研究の対象校として打診をしていた小学校の状況を鑑み，当初予定していた運動遊びの内容について学校長や教職員からの助言を拝しながら再考し，秋季から冬季に実施する予定である．

Causes of Carryover

2022年度中に予定していた研究課題1が，温度や湿度を管理した密閉された実験室で健康な成人（大学生）を対象にした実験であり，新型コロナウイルス感染症予防の観点から実施するには至らなかった．当初の予定では，被験者へ謝金や測定を円滑に実施するために機器の購入を予定していたが，実験を行うことができずこれらへの支出が行われなかった．加えて，研究課題2である小学校現場での測定・調査も滞り，予算として計上していた運動器具の購入や児童への謝礼品などを購入するには至らなかった．