2020 Fiscal Year Research-status Report
内臓・肝・心臓周囲脂肪の蓄積マーカーとしての血中脂肪酸濃度測定の有用性の検討
Project/Area Number |
20K11505
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢藤 繁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50451703)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 内臓脂肪 / 脂肪肝 / 糖尿病 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体への脂肪蓄積は生活習慣病の発症・悪化の原因となる。内臓脂肪蓄積はメタボリック症候群、肝脂肪蓄積は非アルコール性脂肪性肝疾患となり、心臓周囲脂肪蓄積は虚血性心疾患と関係が示唆されている。これらの脂肪蓄積はCT、MRI、高機能超音波検査装置といった画像検査で評価できるが、主に生活習慣病診療を担っている内科診療所ではこれらの機器が高価であることなどの理由で利用できないことが多く、体重と腹囲のみを指標として診療していることがほとんどである。 本臨床研究では、脂肪酸血中濃度から臓器内脂肪蓄積の変化を推定できるという仮説に基づき、内臓脂肪蓄積が原因となる生活習慣病患者において、3-6ヶ月の間隔をあけて2回、24種の脂肪酸の血中濃度測定と臓器内脂肪蓄積を計測するための腹部CT検査を行っている。 本研究の結果として、生活習慣病患者において経時的な臓器内脂肪量の変化と相関する指標を血中脂肪酸濃度から見いだすことができれば、日常診療において臓器内脂肪量の変化を考慮した食事・運動を含む生活習慣指導や薬物療法が可能になる。例えば、CT検査では被ばくの問題があり頻回に実施することができないが、血液検査であればそのようなリスクはなく適宜測定することができる。 研究1年目で10症例において第1回目の測定を終了し、血中脂肪酸濃度と臓器内脂肪量を測定結果が得られた。2回目の測定結果が得られ次第、上記の検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で2020年4月から10月くらいまでは、生活習慣病診療を含む一般内科診療を通常通り行うことができず、研究症例をエントリーすることができなかった。電話再診が多く、研究に協力をお願いできる状況ではなかった。また、健康診断も行われておらず、生活習慣病の新患もほとんどいなかった。 2021年1月以降に10名で1回目の測定を行うことができたので、今後もこのペースで研究へのエントリーできれば、予定通り研究を進めることができると考えているが、再度、コロナ禍で生活習慣病診療が通常通り行えない状況になる可能性も否定できないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に協力いただける症例のリクルートをより積極的に行っていく。特に、健診異常で受診される生活習慣病患者は研究にエントリーできる可能性が高いため、受け入れる新患枠を増やして対応する。
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Causes of Carryover |
研究1年目の症例エントリー数がコロナ禍という特別事情により予定より少なかったことと、検査費用(CT検査と血中脂肪酸濃度測定)が実施施設との交渉の結果、予定より低額になったことにより、次年度使用額が生じました。2021年度研究の検査費用として使用します。
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