2021 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害と臍帯血中ω3系脂肪酸に関するコホート内症例対照研究
Project/Area Number |
20K11507
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
濱崎 景 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50533494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守口 徹 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (10512006)
稲寺 秀邦 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10301144)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ω3系多価不飽和脂肪酸 / 自閉症スペクトラム障害 / コホート内症例対照研究 / 臍帯血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、臍帯血のω3系多価不飽和脂肪酸の低下が5歳時点での自閉症スペクトラム障害の危険因子になっているかどうかを検証するコホート内症例対照研究である。生体試料および情報は、現在、環境省で進めている出生コホート研究「子どもの健康と環境に関する全国調査(以下、エコチル調査)」において、協力機関である富山大学が独自に行っている「追加調査」を利用している。令和3年度の研究実績としては、症例75名に対して対照を(2倍の)150名の臍帯血血清を抽出し(計225名)、研究協力機関である麻布大学に送り、ガスクロマトグラフィーによる脂肪酸の測定を終えている。また、脂肪酸分析途中で脂肪酸の酸化などの問題が起こっていないかどうかの確認も終えている。ガスクロマトグラフィーでは、マイナーな脂肪酸も含めおよそ34測定しているが、メジャーな脂肪酸において、単純なt検定では症例・対照の両群間で有意差は認められていない。また、ω3系多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、エイコサペンタエン酸(EPA)を三分位に分けてロジスティック回帰分析を行った結果、最低三分位と比較して第2三分位および第3三分位ではオッズ比で特に有意差は認められなかった。また、10の交絡因子(出産年齢/運動強度/臍帯血中水銀濃度/妊娠中の就業有無/出産回数/世帯収入/教育歴/喫煙状況/飲酒状況/妊娠前BMI)で補正しても結果は同様であった。なお、交絡因子の欠損値に対しては多重代入法で対処した。今後は、その他の脂肪酸での解析や層化解析なども進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が他大学に異動し、さらにコロナ禍による出勤規制や、オリジナルのデータが保管されている富山大学への移動制限等により予定より少し時間を要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータの解析がメインになってくるので、オンラインなどを利活用して共同研究者と定期的に検討会を開き、解析結果等について議論を重ねていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者が他大学に異動し、さらにコロナ禍による出勤規制や、オリジナルのデータが保管されている富山大学への移動制限等により予定より少し時間を要したためであり、繰り越しは次年度内に使い切れる予定である。
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