2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating molecular mechanisms of magnesium regulation to protect cardiac myocytes against life-style related diseases
Project/Area Number |
20K11518
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
田代 倫子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20398762)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マグネシウム輸送 / 活性酸素 / 心筋細胞 / 細胞内Mg低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内遊離マグネシウム(Mg)イオンは細胞内で多くの代謝反応の補酵素として働くほか、タンパク合成、カリウムやカルシウムイオンの輸送など様々な細胞機能制御に関わっている。細胞機能を維持するために、細胞内遊離Mgイオン濃度はほとんど変動しないように保たれていなければならない。ラット心臓から単離した心室筋細胞に細胞外から500μMの過酸化水素を5分間投与すると細胞内遊離Mgイオン濃度が急激に低下し、洗い流した後は徐々に回復した。細胞内で活性酸素を発生させる緑膿菌毒素(ピオシアニン)を投与した時も細胞内遊離Mg濃度が低下した。そこで活性酸素が細胞内Mg恒常性を破綻させることに着目し、活性酸素暴露後のMg動態を詳細に検討した。活性酸素による細胞内Mgの減少は細胞内からのMg汲み出し輸送の活性化により起こることを明らかにした。生理的なMg汲み出し機構として、細胞内外のナトリウム(Na)イオン濃度勾配を利用したNa-Mg交換輸送が知られている。しかしながら、活性酸素によるMg汲み出し機構は細胞外Na非存在下でも活性化されるNa非依存性であり、三環系抗うつ薬のイミプラミンで抑制される性質があることを明らかにした。以上の結果より、活性酸素によって活性化されるMg汲み出し機構が存在し、生活習慣病などの活性酸素が発生するような病態において細胞内Mg恒常性の破綻が起きる機序を解明した。細胞内Mgの減少は細胞機能を障害することから、病態の悪化が懸念される。次年度は、この輸送体の活性化を防ぐための研究を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活性酸素によって変化するMg動態を解析し成果をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Mg恒常性の破綻を防ぐために、心筋細胞におけるMg汲み出し機構について解析を進める。
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Causes of Carryover |
実験方法の変更により消耗品代が計画を下回った。今年度は多種類の試薬の使用を計画している。
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Research Products
(2 results)