2022 Fiscal Year Research-status Report
疲労関連タンパク質を用いた任意型健康診断集団における疾病予測研究
Project/Area Number |
20K11521
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
福田 早苗 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 暁子 三重大学, 医学系研究科, 特任准教授(研究担当) (00598980)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 疲労 / 任意型健康診断 / 健康診断項目 / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の成果として、慢性疲労症候群において血中の細胞外小胞数や成分が健常者と比べて上昇すること、亜急性疲労と鬱病の患者で特異的に変動する成分も同定し、これらの成分が急性疲労で上昇する可能性を見出した。これらのマーカーを使用することで、疲労を特異的に診断できる可能性がある。今後はこれらのマーカーを数値化し予防や健康行動の支援に役立てていくかが1つの鍵となると考えられる。そこで、A施設における健康診断参加者に趣旨説明後に質問紙記入と健康診断結果の提供に同意をお願いした。2408名から同意を得た。うち672名は、新型コロナウイルス感染症流行前後の2点でデータを収集した。また、うち100名からは血液を使用して細胞外小胞数を測定した。健康診断項目はBMI指数、腹囲、収縮期・拡張期血圧、血液検査項目、等であった。質問紙項目では、労働時間、睡眠時間の他に疲労や職業性ストレスに関しての質問を行った。当該年度には主に次の成果を得た。 1.新型コロナウイルス感染症流行前後で健康診断項目のいくつかの項目、メタボリックシンドロームに関連する項目、肝疾患に関する項目、貧血等に関する項目において差が認められた。これらのいくつかは生活習慣や疲労とも関連があった。 2.細胞外小胞数と健康診断項目のいくつかに関連が認められたが、特にメタボリックシンドロームや肝疾患で関連がある検査項目等と正の相関が認められた。これは先行研究をフォローするものであるが、健常人でのデータは極めて珍しく今後論文化していくこととなった。 3.血液中の疲労関連たんぱく質と疲労には関連は認められないが、細胞外小胞数と疲労に関しては関連が認められることが明らかとなった。血中たんぱく質は、慢性疲労症候群の我々の研究成果のように細胞外小胞中のたんぱく質の傾向とは違う可能性を示唆すると考えられるが、今後検討していく必要性は残された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、結果をまとめた内容の報告や論文化の進行が遅れたので1年延長した。
|
Strategy for Future Research Activity |
往来が自由となったので、研究分担者や協力者等とのディスカッションも進んでいる。研究成果発表のための学会へのエントリーも順に進めている。
|
Causes of Carryover |
研究成果のまとめに時間がかかり論文執筆の時間がとれなかったり学会へのエントリーができなかった。そのため令和5年度に研究成果の発表のため延長を希望した。従って、残額は学会発表の旅費及びエントリー費用、ポスター作製費用、論文の英文校正や投稿料として使用する。
|
Research Products
(2 results)