2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の筋肉・体脂肪量が認知機能やメンタルを含むADLへ及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
20K11522
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
藤本 壮八 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00319948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 俊弘 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00243824)
山中 義之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368625)
脇本 敏裕 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (90550898)
門利 知美 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10781552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 認知機能 / サルコペニア / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者はBMIだけでなく筋肉量と体脂肪量バランスが重要たることは明らかである。また、高齢者の運動機能低下すなわちADL低下は認知症やメンタルヘルスと相互に複雑に関連し、更なるADL低下の原因となる。言い換えると、筋肉量と体脂肪量バランスが認知症やメンタルヘルスに影響すると考えられる。以上から「高齢者の筋肉量低下は運動機能だけでなく認知機能、メンタルヘルスの悪化に関連しADL低下を引き起こす。」と仮説を立て、その解明のため、筋肉量と認知機能、メンタルヘルス及び運動機能に関連はあるか総合的に検討することが本研究である。健康診断受診者で本研究参加に同意頂いた65歳以上の男女を対象に筋肉量、脂肪量の測定はDual Energy X-Ray Absorptiometry(DXA)法を行う。認知能の検査は矢冨らによって開発された高齢者集団用認知検査である。TDASプログラムを用いている。また、精神健康調査票であるGHQ12と健康関連QOLの調査であるSF-36を行っている。 本研究は高齢者を対象にして現在進行中であるが、本研究に関連してメンタルヘルスと虚血性心疾患のリスクについて吹田スコアとWHO5精神健康状態表を用いて検討を行った。その結果、虚血性心疾患のリスクとメンタルヘルスは逆相関することが認められた。本研究成果は令和2年11月の第61回人間ドック学会学術大会で発表した。 更に本研究に関連して、健診データを活用して重を脂肪量と除脂肪体重に分け、それぞれメンタルヘルスの影響を検討した、その結果、BMI高値では脂肪量の増加がメンタルヘルス悪化と関連するが、除脂肪体重とは関連を認めなかった。肥満とメンタルヘルスとの関連には除脂肪体重より脂肪量が重要となる可能性があった。本研究成果は学会発表および論文に向けて準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は参加者の登録及び検査を行っている。対象者は現在約90名、そのうち80名程度にDXA法による検査、及び認知機能の測定が終了している。今後は更に対象者を増やすため健診受診者を対象に参加者を募っている。COVID19による研究進展の遅延も危惧したが、研究の進捗状況は上記のように順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究対象者を100人以上に設定し、参加者を募る。更に本年度中に研究データの解析も終了する予定としている。
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Causes of Carryover |
次年度の繰越額については、COVID19による学会中止のため研究成果発表の旅費が翌年に持ち越されたこと、更に本研究は対象者の検査費用に多く予算が割かれている。3月分の検査費用は翌月にまとめて支払う手順となっており4月に支払いの予定であるためである。研究については問題なく行われている。
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Research Products
(1 results)