2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の筋肉・体脂肪量が認知機能やメンタルを含むADLへ及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
20K11522
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
藤本 壮八 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00319948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 俊弘 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00243824)
山中 義之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368625)
脇本 敏裕 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (90550898)
門利 知美 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10781552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / 体組成 / 筋肉量 / 体脂肪量 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者はBMIだけでなく筋肉量と体脂肪量バランスが重要たることは明らかである。更に筋肉量と体脂肪量バランスが認知症やメンタルヘルスに影響すると考えられる。以上から「高齢者の筋肉量低下は運動機能だけでなく認知機能、メンタルヘルスの悪化に関連しADL低下を引き起こす。」と仮説を立て、その解明のため、筋肉量と認知機能、メンタルヘルス、運動機能、ADLの相互の関連を総合的に検討することが本研究である。健康診断受診者で本研究参加に同意頂いた65歳以上の男女を対象に体組成の測定はDXA法を用い、認知能の検査は矢冨らによって開発された高齢者集団用認知検査である。TDASプログラムを用いている。 現在までに究参加者は91名(男性: 56名)。平均年齢71.3歳 (男性: 71.7歳、女性: 70.7歳)、TDASの平均は3.6点 (男性: 4.5点、女性: 2.0点)であった。女性では、TDASと体重およびBMIや腹囲は有意な関連を認めなかった。しかし、体重当たりの脂肪量とTDASは正の相関を認め (p=0.013)、徐脂肪体重とは負の相関を認めた (p=0.014)。徐脂肪体重を筋肉量と骨量に分けた解析では、TDASと体重当たりの骨量は有意な関連がなく、筋肉量とは有意な負の相関を認めた (p=0.012)。男性でも、TDASと体組成で女性と同様の検討を行ったが、体重当たりの骨量のみTDASと有意な正の相関を認め (p=0.022)、他の体重やBMI、腹囲、脂肪量、筋肉量とは有意な関連を認めなかった。 上記から比較的健常な高齢者では、体組成と認知機能の関連が男女で異なる可能性が示された。特に認知症のない比較的健常な高齢女性では、従来の体重やBMIより、脂肪量と筋肉量のバランスが認知機能と関連することが示唆された。 本研究成果は学会発表および論文に向けて準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は、研究参加者は91名(男性: 71.7歳、女性: 70.7歳)のデータ解析を行った。主な結果を記載する。 TDASの平均は3.6点 (男性: 4.5点、女性: 2.0点)であった。女性では、TDASと体重およびBMIや腹囲は有意な関連を認めなかった。しかし、体重当たりの脂肪量とTDASは正の相関を認め (p=0.013)、徐脂肪体重とは負の相関を認めた (p=0.014)。徐脂肪体重を筋肉量と骨量に分けた解析では、TDASと体重当たりの骨量は有意な関連がなく、筋肉量とは有意な負の相関を認めた (p=0.012)。男性でも、TDASと体組成で女性と同様の検討を行ったが、体重当たりの骨量のみTDASと有意な正の相関を認め (p=0.022)、他の体重やBMI、腹囲、脂肪量、筋肉量とは有意な関連を認めなかった。 上記までの解析が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は参加者の募集やデータ取得は概ね終了している。当初は参加者に対して運動による改善効果の検討目的で運動教室参加を計画していたが、今も継続している感染症に対する対策として集団運動教室開催が困難な状況である。そのため、今回の研究は現状のデータの解析にて終了を予定し、現状の状況が改善し、安定した集団運動教室開催が可能になった時点で上記の検討を予定している。
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Causes of Carryover |
収集したデータにかかる解析の費用、一部の参加者の検査費等や論文作成にかかる費用を次年度に持ち越しを行った。今年度は上記に加え論文や学会での発表等にも利用する予定である。
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Research Products
(5 results)