2021 Fiscal Year Research-status Report
癌患者の栄養指標としてのBIA-位相角の可能性 ~赤血球膜脂肪酸との関連性探索~
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20K11530
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山田 苑子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (30716634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上番増 喬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10581829)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 癌患者 / BIA / Phase angle / 脂肪酸 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体電気インピーダンス法(bioelectric impedance analysis; BIA)から得られる位相角(phase angle; PhA)は細胞膜の健常度を表す栄養指標として注目されている。研究代表者らはこれまでに、消化器癌患者において低PhAは予後不良因子であることを明らかにした。しかしながら、PhAが栄養介入により改善可能であるか否かについては明らかになっていない。本研究は消化器癌患者を対象とし、PhAの高低と関連を示す赤血球膜脂肪酸をメタボローム解析により網羅的に探索することを目的とする。そのために、①健常者と消化器癌患者でのPhAおよび赤血球膜脂肪酸組成の比較 ②消化器癌患者の術前PhAと相関を示す赤血球膜脂肪酸の探索 ③消化器癌患者の術前術後のPhAの増減と関連する脂肪酸の探索を行う。本研究により特定の脂肪酸をターゲットとして発見できれば、今後PhAを改善するためのアプローチとして、特定の脂肪酸投与でPhAが改善するか否かの介入試験への展開が期待される。今年度は消化器癌患者について下記のデータを収集した。 ・基本情報(年齢、性別、基礎疾患、既往歴など) ・BIA法による体組成評価(PhA、筋肉量、体脂肪量など)、握力 ・血液サンプル ・簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ; brief-type self-administered diet history questionnaire)による対象者の過去1か月間の栄養素摂取状況 消化器癌患者については術前および術後7日の2ポイントでBIA評価、血液サンプル回収、握力測定を行った。上記の結果をデータベースに入力済であるが、血液サンプルの解析が完了していないため、最終解析はまだ実施できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、病院への立ち入り制限・患者との接触制限があったため、目標の症例数に達することができなかった。また、ヒト血液サンプルの赤血球膜脂肪酸測定系の確立に時間を要し、血液サンプルの解析が遅れている。病院への立ち入り制限でヒト血液サンプルの回収が十分にできなかったため、今年度は、PhAの臨床的意義を検討するために頭頸部癌患者のデータベースを作成し、解析を行った。頭頸部癌患者96名の解析の結果、PhAは筋力、筋量、筋質、身体機能などの筋機能と相関する指標であり、化学放射線療前の低PhAは治療中の重症な貧血・誤嚥、放射線治療中断の割合が高く、3年生存率不良であることが示された。本内容については英語論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの状況に応じて、可能な範囲内で消化器癌患者の症例数を増やす。並行して、回収済みの血液サンプルの赤血球膜脂肪酸の解析を進める。新型コロナウィルスの影響でこれ以上症例数が増やせない場合は、現時点の回収サンプルのみで予備的解析を実施する。電子カルテから収集可能な情報の範囲内で解析を実施するなど、他の方法も検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウィルスの状況を鑑み、参加予定であった学会や研究会の参加を見合わせた。また、血液サンプルの解析が遅れ、備品・消耗品等を購入しなかったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度は血液サンプルの解析に関わる費用が多く必要と予想されるため、翌年度分として請求した研究費用と合わせて使用する予定である。
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[Journal Article] Development and Validation of Cutoff Value for Reduced Muscle Mass for GLIM Criteria in Patients with Gastrointestinal and Hepatobiliary-Pancreatic Cancers2022
Author(s)
Mami Takimoto, Sonoko Yasui-Yamada, Nanami Nasu, Natsumi Kagiya, Nozomi Aotani, Yumiko Kurokawa, Yoshiko Tani-Suzuki, Hideya Kashihara, Yu Saito, Masaaki Nishi, Mitsuo Shimada, Yasuhiro Hamada
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Journal Title
Nutrients
Volume: 14
Pages: 943~943
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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