2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a method to predict the severity of nonalcoholic fatty liver disease by measuring body composition and microRNA
Project/Area Number |
20K11531
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
米山 弘人 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (80294750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 久和 香川大学, 医学部, 准教授 (20398035)
正木 勉 香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / 体組成計測 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
食生活習慣の欧米化で急増している非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の中から肝関連死亡率が非常に高い非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を発症する高危険群を正確に選別する簡便な診断法の開発を目標とし、健康医学や患者指導の場で広く活用されている体組成計測と新規バイオマーカーの血清マイクロRNA(miRNA)測定を組み合わせた斬新なNASH発症予測法の確立に着手しました。 当施設で病理診断されたNAFLD/NASH患者50名(NASH25名、非NASH 25名)に栄養指導と共に生体電気インピーダンス法で体組成計測を行い、体脂肪と筋肉量から体組成型を分類すると同時に患者血清を採取保存しその血清マイクロRNA(miRNA)を網羅的に解析しました。miRNAの解析は約2600分子種のmiRNAを搭載したオリゴチップに、血清から精製した資料をハイブリダイゼーションした後にmiRNA解析専用スキャナーで取り込み、各miRNA分子種の発現強度を測定した。体組成計測では全症例が5つの型に分類され、各体組成型の症例の病理組織型からNASH症例と非NASH症例を区別し、NASH-非NASH間で各miRNAの発現強度を比較解析したところ、NASH症例で特異的に発現強度が変化しているmiRNA分子種を複数同定できました。 更にそれらのmiRNA分子種が各体組成型においてどのように異なるか解析を試みていましたが、研究初年度(令和2年)の解析症例の約半数の保存血清において、検体量不足からmiRNA解析に必要な精製試料を確保できず、エントリーした50名の内約半数において未測定となってしまいました。そこで急遽症例集積の追加を行い統計的解析を行える検体数の集積を続け、目標の9割に到達しました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
保存血清の検体量不足によりmiRNA網羅的解析が行えなかった症例数を補うため、症例の追加エントリーを行い、症例集積を行ってきました。非NASH群の症例は解析に必要な症例数を確保できましたが、NASH群の症例については解析に必要な症例数の8割が漸く確保できました。2020年~2021年の新型コロナウイルスの蔓延による影響で当院への新規患者紹介数が減少し、また紹介を受けた患者様においても新規研究への参加同意取得に至る症例が以前より減少しました。特にNASH症例群では肝疾患以外にも合併疾患が多く、他科の診療時間も合わせると長時間の院内滞在時間となるため研究同意取得における落ち着いた面接環境を取ることが難しい状況が続いていました。 2022年以降は漸く当院の診療環境も落ち着き、症例数のエントリーが再開でき、必要症例数の8割が確保できました。 当初の研究計画では体組成計測で分類した体組成型の各グループにおいてNASH―非NASH間で発現強度が有意に変化しているmiRNA分子種を同定し、体組成計測と血清miRNA解析を組み合わせたNASH予測アルゴリズム作成し、更にそのアルゴリズムを応用してNASHによる肝発がんの予測についても解析を行っている段階でしたが、上記の経過にてまだアルゴリズム完成が達成できていません。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は追加でエントリーを行っている症例(NASH群)を解析に必要な症例数確保し、全ての症例においてmiRNA解析を完了させ、体組成判定と特定のmiRNA発現パターンからNAFLDの重症度(NASH発症)予測ができるアルゴリズムを完成させる予定です。 しかし今年度中に目標症例数確保が出来ない場合も想定し、解析に採用する統計手法を若干変更し現在の集積症例数でも可能な手法も採用し、現段階でのNASH発症予測アルゴリズムを導き出す予定です。 更に長期フォロー期間中にNASH発症前と発症後のそれぞれにおいて体組成計測データが得られていた症例において、作成したアルゴリズムを適応し、体組成計測と血清miRNA測定値からの予想が実際の病理組織結果と一致しているかを検証し、アルゴリズムの診断精度を検証します。 またNASH群の中でも特に肝発がんに至った症例において特異的に発現している血清miRNAを同定し、体組成計測との組み合わせにより、NAFLD症例の中から肝発がんに至るリスクの高い症例を選別するアルゴリズム作成を目指します。
|
Causes of Carryover |
当該年度の解析症例数が前年度より増えたものの当初の予定より少なく、検体からのマイクロRNA抽出作業、およびマイクロRNA解析実験に必要な物品購入が一部次年度へ持ち 越しとなりました。またNASH発症予測に関わるmiRNA分子種の同定および予測アルゴリズム作成の遅れにより当初予定していた専門学会での研究成果報告や国際誌への投稿を目指した解析に必要な機材(専用ソフト等)も一部次年度に持ち越しとなりました。以上の経過により次年度使用額が発生したものです。 今年度は最終年度になるため、たとえ予定症例数に満たない場合でも、サンプル集積は8月末頃までにサンプル集積と解析を一旦終了し、集積できた範囲でマイクロRNA解析を完了し研究計画の遅れを取り戻し、専用ソフトや解析用コンピューターを使用して研究を完成させ、研究成果を学会等に演題登録、参加発表し、国際誌にも投稿する予定で す。
|
Research Products
(1 results)
-
[Presentation] Prediction of Liver Fibrosis and Carcinogenesis by Body Comparison Analysis by Bioelectrical Impedance Analysis2022
Author(s)
Hirohito Yoneyama, Toshiaki Nakatsu, Naohito Uchida, Yuuko Bandou, Asahiro Morishita , Joji Tani, Koji Fujita, Takako Nomura, Teppei Sakamoto, Shima Mimura, Tomoko Tadokoro, Kyoko Oura, Mai Nakahara, Kei Takuma, Akihiro Deguchi, Takashi Himoto, Tsutomu Masaki
Organizer
The Asian Pacific Association for the Study of the Liver: APASL Oncology 2022
Int'l Joint Research