2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K11533
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
山縣 誉志江 県立広島大学, 地域創生学部, 助教 (40634150)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栢下 淳 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (40312178)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 嚥下調整食 / 食形態 / 舌圧 / 摂食嚥下 / 食品物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下において重要な役割を果たす舌の機能を評価する指標のひとつとして、舌圧がある。しかし、これまでの研究において舌圧と嚥下調整食の物性の関連性を示すには至っていない。本研究では、舌圧と舌でつぶせる食品のかたさの関係を示すため、どの程度の舌圧でどのくらいのかたさの食品がつぶせるのかを検証することを目的とした。 初年度は、応力値と舌圧値の関係を解析した。クリープメータ(山電社製 RE2-3305B)で測定歪率を16段階(10~85%)に変化させ、舌圧測定器(TPM-01,株式会社ジェイ・エム・エス)のプローブ部分を加圧し、両者の関係性について検討した。その結果、測定歪率が大きくなると、かたさ応力および舌圧測定器の圧力はいずれも増加し(ともにr=0.999, p<0.01)、回帰式が得られた。 2年目は、機械が舌圧プローブを圧縮する応力と同じ舌圧で圧縮すると、回帰式から得られるかたさの食品を押しつぶし可能なのではないかという仮説のもと、官能評価を行った。テクスチャーの異なる2種類のゲル化剤を用いてかたさの異なる8種類の試料を作製し、健常な大学生48名を対象に官能評価および最大舌圧の測定を実施した。官能評価では、舌での押しつぶしの可否を評価させた。その結果、回帰式から予測された舌圧よりも低い舌圧で試料の押しつぶしが可能であることがわかった。これは、試料が既定の測定歪率に到達する前に破断することに起因すると考えられた。本研究から、舌圧が高いほど硬い食品を押しつぶし可能であり、舌圧測定により舌でつぶせる硬さが推定できることが示された。今後、高齢者の舌圧測定値と嚥下調整食の基準の物性の比較を行うことで、舌圧測定により食形態の決定を行うことが可能か否かの検証を行いたい。
|