2021 Fiscal Year Research-status Report
Effect of eating speed and how to eat on glycemic parameters and hormone secretion in people with type 2 diabetes and young healthy people
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20K11569
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
今井 佐恵子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00438235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食事療法 / 血糖値 / インスリン / 食べる順番 / 食べるスピード |
Outline of Annual Research Achievements |
血糖値やインスリンは食事量、糖質量などによって影響を受けるだけでなく、「食べ方」によっても影響を受ける。従来の食事療法や栄養学では、「何をどれだけ食べるか」に重点がおかれてきたが、「どのように食べるか」、すなわち、食べる順番や食べるスピード、また、「いつ食べるか」によっても生体は大きく影響を受け、血糖値のみならず、インスリンなどホルモン動態にも影響を与えることを明らかにしてきた。 日本では幼少期から「はや食い」と主食とおかずを口中で混合して食べる「三角食べ」が習慣化されている。疫学研究では食べるスピードが速いと肥満のリスクを上昇させることが報告されているが、はや食いの定義は明らかではなく、食べるスピードは自己申告によるため客観性に乏しい。私たちははや食いの食事時間を10分、ゆっくり食べを20分とし、無作為化比較クロスオーバー試験により介入研究を実施した。 健常女性を対象に、早食いしたときとゆっくり食べたときの血糖値の違いを持続血糖測定器を用いて調べたところ、米飯とおかずを口中で混ぜて食べるいわゆる三角食べの早食いをしたときは、野菜を最初に炭水化物を最後にゆっくり食べたときより、血糖値及び血糖変動幅が有意に高くなることを発見した。 また、健康女性を対象に、主菜→主食→野菜、野菜→主菜→主食、主食→主菜→野菜の順番にそれぞれクロスオーバーで摂取させ血糖値を比較すると、主菜から摂取した日の血糖指標は主食から摂取した日とほとんど差がなかった。すなわち、タンパク質から摂取する場合にも炭水化物を必ず最後に摂取することが血糖上昇を抑制する上で重要であること、20分かけてゆっくり食べても炭水化物を最後に摂取しないと血糖指標は高くなることが明らかになった。また夕食のみ主食を抜きたんぱく質と脂質でエネルギーを補うと夕食後の血糖値は抑制されるが翌日の朝食、昼食後の血糖値が高いことを報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大により2020年、2021年は介入研究を一時ストップせざるを得ない状況にあったため、研究の進捗はやや遅れている。現在は、健常女性を対象に食べるスピードと食べる順番を変えたときの血糖値、インスリン、遊離脂肪酸、中性脂肪の動態について介入研究中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は食べるスピードと食べる順番の違いによる血糖値、インスリン、血清脂質の動態について介入研究を実施しており、今年度中には研究及び解析が終了する予定である。その後、順次国内外の学会で発表したのち、論文にまとめる予定である。 食べ方や食べるスピードなど日常生活において実行可能な提案をするための科学的根拠を構築するために、介入研究を行い、国際雑誌に論文を掲載し、世界にエビデンスを発信する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により2021年度も介入研究を一時中断せざるを得ない状況にあったため、消耗品、血液検査料、被験者謝金等の一部が次年度使用となった。また、多くの国内外の学会は新型コロナ感染拡大のためオンライン開催となり、出張費が不要となった。今年度は国内外の学会において研究成果を積極的に発表し、論文を完成させる予定である。
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