2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of eating speed and how to eat on glycemic parameters and hormone secretion in people with type 2 diabetes and young healthy people
Project/Area Number |
20K11569
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
今井 佐恵子 京都女子大学, 家政学部, 特任教授 (00438235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食事療法 / 血糖値 / インスリン / 食べる順番 / 食べるスピード / 糖尿病 / 管理栄養士 / 合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病の食事療法において、エネルギー量、糖質量、食物繊維量など栄養量の違いが血糖上昇、血糖コントロールに与える影響については国内外で多くの研究がなされているが、食べ方、すなわち食べる順番や食べるスピードについては、私たちの研究報告を発端に近年ようやく介入研究が実施されるようになった。 食べるスピードが速いと肥満、糖尿病など生活習慣病の発症率が高いという観察研究、疫学研究報告があるが、食べるスピードについての無作為化比較介入研究についてははほとんど報告がない。本研究では健常若年女性を対象に無作為化比較クロスオーバー試験の結果、たとえ20分かけてゆっくり食べても炭水化物から摂取すると、野菜から10分で早食いしたときより血糖値、インスリンとも増加することを報告した。 さらに、食べる順番を主とした糖尿病食事指導の長期間の効果を調べた研究を実施した。2型糖尿病患者を対象に5年間の血糖コントロール、血圧、血清脂質の変化を調べると、管理栄養士が食べる順番を指導した群では介入後HbA1c、拡張期血圧が薬剤の影響を排除しても有意に減少した。一方、管理栄養士による栄養指導を受けていない対照群では、HbA1c、血圧は5年間変化がなかった。さらに頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)の検査を介入前後に受けた介入群83名と対照群78名を比較すると、MaxIMTは4年後両群とも有意ではないが減少し、MeanIMTの増加は4年後きわめて少なかったことから、両群とも加齢等による肥厚が抑えられたと考えられる。さらに、対照群では動脈硬化症、脂質異常症、脳血管障害の発症が4年後増加したのに対し、介入群では有意な増加がみられなかった。これらのことから管理栄養士による食べる順番を主とした長期の栄養指導は、血糖コントロール、血圧の改善および糖尿病合併症発症進展の抑制に有効であることが示唆された。
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