2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study for prevention of infections among preterm infants by probiotics
Project/Area Number |
20K11574
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菱木 はるか 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80456061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸村 道夫 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (30314321)
遠藤 真美子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (30436414)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 早産児 / 乳酸菌 / 感染予防 / 二重盲検試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は前年度末までに収集したデータを用い、解析を行った。論文作成の過程でさらなる解析を要し、2024年3月の時点で研究完了した。関連施設において行った別の乳酸菌試験とあわせ、3報の論文を概ね完成させており、投稿準備ないし投稿中の段階である。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果を以下に述べる。 新生児集中治療室 (NICU) から退院した早産児には、RSウイルスなどをはじめとした重篤なウイルス性気道感染症 (RTI) のリスクがあるが、早産児のRTI予防におけるプロバイオティクスの安全性と有効性についてはほとんど知られていなかった。今回我々は、早産児に対する不活化加熱乳酸菌K15を用いたランダム化二重盲検試験を実施し、RTI予防効果、およびK15の安全性と有効性を検証した。解析によって、投与期間1年間における発熱日数は、K15とプラセボとで有意差は認めなかったが、服薬遵守率が高い群において発熱日数が短縮されることが明らかとなった。また、糞便サンプルの16S rDNA解析によって、K15群においては酢酸産生菌が豊富に含まれており、酢酸生産を潜在的に促進していることが示された。K15摂取に関連する明らかな有害事象は示されなかった。これらのことから、K15は早産児に対して安全であり、RTI予防に効果があることが初めて示された。
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