2021 Fiscal Year Research-status Report
脂質網羅的解析による睡眠障害のメタボロミクスへの影響の検討
Project/Area Number |
20K11577
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮田 聖子 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (40560917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 明子 中部大学, 臨床検査技術教育・実習センター, 教授 (80252287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂質メタボローム / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠は、代謝調節に重要な役割を果たし、睡眠障害は脂質代謝異常を来す。中でも睡眠呼吸障害は、脂質代謝異常、高血圧や糖尿病と密接に関わっており、心血管病の発症リスクを高めるとの証左が多い。近年、質量分析計を用い睡眠障害による脂質代謝異常の分子的なメカニズムを解明しようという試みがなされている。質量分析計を用いた脂質代謝産物の包括的解析は、睡眠/覚醒調節および関連する代謝プロセスの理解をさらに深め、代謝プロファイリングを利用することで病態および治療効果評価においてバイオマーカー探索に不可欠となると考えられている。しかし、睡眠障害・脳機能と脂質メタボローム指標との関係は十分検討されていない。本研究では、睡眠覚醒リズムの障害や睡眠の障害のある者を対象に、質量分析法を用いた脂質メタボロミクス解析を実施し、睡眠と網羅的な脂質データとの関連を明らかにすることを目指している。 睡眠障害の疑われる患者および学生を対象に、睡眠ポリグラフ検査または簡易睡眠検査を実施し、客観的/自覚的な睡眠評価を行い、末梢血の血漿検体をもちいて、質量分析法による網羅的脂質解析を実施している。短時間睡眠の大学生と十分な睡眠時間をとっている大学生の血中脂質メタボロームを比較した際に、いくつかのリン脂質が変化していることを突き止めた。本成果は現在睡眠に関連する国際ジャーナルに投稿中である。また、COVID-19の影響による様々な制限により当初の計画よりはやや遅れているが、これまでに計測した脂質メタボロームデータの解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響による、睡眠障害診断に必須な睡眠検査の制限および、人員の減少による臨床業務の負担増大に伴った研究活動の制限により、当初計画の通り進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、検体の収集を促進する。また、これまで計測したデータの解析を進める。
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Causes of Carryover |
2021年度はCOVID-19の影響により、睡眠検査の制限および研究対象者の募集、学会参加が制限されていたため計画通りに使用できなかった。今年度は、感染対策を講じたうえで、昨年度実施できなかった検体採集や学会での情報収集を進めていく。
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Research Products
(12 results)