2022 Fiscal Year Research-status Report
卵巣がんにおけるNAC1-PEPCKによる栄養素代謝制御機構の解明
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20K11585
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
中山 真美 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60713188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健太郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (70346401)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖代謝 / 糖新生経路 / セリン合成 / NAC1 / PEPCK2 / 卵巣癌 / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、癌関連転写因子であるNAC1によるPEPCK2の発現制御機構および代謝制御機構を明らかにすることを目的としている。 本年度は、NAC1およびPEPCK2の両者を発現している卵巣癌細胞株を用いて、siRNAによるNAC1ノックダウン前後で代謝産物の違いを解析した。メタボローム解析を用いて、全細胞内の代謝産物を解析した。結果、PEPCK2の触媒する糖新生経路およびその先のde-novo serin合成経路の代謝物に差が見られた。serinを含まないメデイウムを用いて細胞培養し、NAC1をノックダウンしgrowth assayを行うと、細胞増殖抑制効果の増強が認められた。これより、NAC1ーPEPCK2を強発現する卵巣癌では、これらの分子による糖新生およびde-novo serin合成促進により増殖advantageを得ていると推測された。 NAC1のノックダウンおよびgrowth assayは、その再現性を示すため、細胞株を増やして実験を繰り返した。また、メタボローム解析では、tripricateで行った解析で外れ値がみられたため、dupricateで再解析を行った。結果は同様であったため、特に修正は不要であった。 NAC1とPEPCK2の手術組織切片を用いた免疫染色および、予後との関連性の解析では、サンプル数をさらに拡大し、同様の実験を行った。結果、NAC1およびPEPCK2の発現を認める場合は予後不良であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、研究を実施できた。免疫組織染色および予後解析では、サンプル数を増やし再度関連性を確認した。また、細胞株を用いたすべての実験において、用いる細胞株を増やし、再現性の確認を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究結果を論文化している。 今後は、本研究で明らかとなったNAC1-PEPCK2をターゲットとした創薬に結び付けることが出来るよう、マウスを用いたin vivo実験を計画している。
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Causes of Carryover |
現在論文化の最中であり、今後英文校正費および出版費が必要となるため。
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Research Products
(1 results)