2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of nonalcoholic steatohepatitis with severe obesity and mechanism of improvement after surgery
Project/Area Number |
20K11586
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 章 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40275540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅邑 晃 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10749675)
石田 和之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40444004)
石垣 泰 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50375002)
岩谷 岳 岩手医科大学, 医学部, 特任教授 (70405801)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肥満症 / 高度肥満症 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 減量・代謝改善手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)を施行した非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)合併の高度肥満症患者を対象にして、経時的な肝組織学的評価とクロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)を使用した血液・肝組織検体のリピドミクス解析を行い、体重減少による肝線維化の改善機序を検討した。LSGでは、術前のフォーミュラ食1回を含む食事療法により、術前には平均11 kg(-9%)の体重減少が得られた。LSG時の肝生検では、脂肪化が消失して肝容積は減少するが、肝細胞障害と線維化が残存する組織所見を有する患者群を発見し、indeterminable NASHという概念を報告した。この患者群は術前にNASHが併存していたことが予測され、内科治療により高度肥満症患者の肝脂肪化は改善できるが、肝線維化は残存することを示した重要な報告で、長期的体重減少が維持できるLSGは、NASHの治療法として有効であることを証明した。 NASHと診断されたLSG90名に術後肝生検を施行した結果、NASHの改善率はLSG後1年80%、2年82%、3年83%であった。LSGを施行した高度肥満症患者20名に対してLC-MSを用いたリピドミクス解析では、全患者で共通して検出された189種の血清遊離脂肪酸のうち、術後に5種が有意減少、18種が有意増加し、体重減少効果、肝組織の脂肪化割合とρ=0.8以上の相関が認められた。リン脂質はLSG後に増加する傾向があり、特にアラキドン酸を含むPC(18:1e_20:4)は、NASH患者で有意な増加を認め、LSGの代謝改善効果により全身の炎症反応を抑制することで、NASHの改善に影響を与えた可能性が考えられた。PC(18:1e_20:4)は、NASHの診断や治療効果判定のためのサロゲートマーカーとして使用できる可能性がある。
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Research Products
(11 results)